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特集 タミヤ48

He219A-7ウーフー 所属不明機 (タミヤ1/48) 

  by 寿



 タミヤのヨンパチ特集ってコトで作ってみました念願のウーフー。
 ずーっと前から作ろう作ろうと思っていたんだけれど「もうちょっと上手くなってから」とか「レーダーアンテナの良いアフターパーツが手に入ってから」とか「もっとかっちょええデカールが手に入ってから」とか言い訳ばっか付けて先延ばしにした挙げ句、いつの間にか積みプラ置き場で埃をかぶって幾星霜てな案配です。まぁこの辺りはモデラーあるあるだよね。



 しかしそんな悶々と鬱屈した日々とはおさらば。此処に晴れてナチ公末期の高性能夜間戦闘機は完成し机の上にご光臨することと相成ったのであります。実は八月号で作った「ハセ・モノ」メッサーのデカールが本当に賞味期限ぎりっぎりで、貼ってく最中からブチブチばらばらと千切れてゆく様を目の当たりにし「やっべ二五年前のデカール、マジやばい」と焦ったのが制作に踏み切った切っ掛けです。考えてみればこのウーフーを買ったのも前世紀の事だしなぁ。時間が経つのは早いもんじゃのう。 



 しかしなんちゅうか、その・・・・不純だね。モデラーたるもの欲望が煮えくりかえった挙げ句「コレを作らにゃならんのだ」と熱く滾る情熱の迸りで箱を開けるなら兎も角、冷蔵庫の奥から発掘して腐らせたら勿体ないから食べちゃおう的な、そんな忘れ去られていた惣菜みたいな理由で作り始めるなんてのはちょっとアカンよね。プラモに対しての冒涜なんじゃないかしらん? 



 でも冒涜だろうが羞恥プレイだろうが模型は作ったもん勝ち、ってコトで勘弁して下さい。忘れ去られたままうち捨てられてただの不燃ゴミになるよりは百億倍マシ。
 そして熱いパトスを燃え上がらせてキットに挑む真摯なモデラーには劣るけれど、如何なる理由であろうと走り始めたら止る訳にはいかんのです。 



 完成という名の頂点を目指してただひたすらに突進なのです。たといそれがゴルゴダの丘であろうとも、背負う十字架が一つどころか三つ四つとてんこ盛りなって居ようとも、豪快に笑って駆け登るのみ。



 プラモは何時だってモデラーを待っているぞ。箱の中で作られる日を夢見るパーツに応えられるのは、我らモデラーだけなのであります。



 完成品は正義、ニッパーと接着剤に栄光あれ。
 全てのモデラーに幸多からんことを、なのであります。

製作の詳細

(写真1)素晴らしいボックスアートです。陽の当たり加減からして夕刻でしょうかね。ヨーロッパはイギリスでも夏は二一時くらいまで明るいらしいからこういうシチュエーションもあるってことなんでしょうか。いずれにしても出来の良い箱絵はモチベーションも爆上がりです。

(写真2) ウーフーはアホみたいにデカい双発戦闘機なので保管や搬送のことも考えなきゃなんない。なのでネオジム磁石を使って分離合体が出来るようにしてみました。いや~こういう工作って精度の高いキットじゃないと「やってみよう」って気分にならないんだよね。これが怪しげな簡易インジェクションのキットだったら間違いなく完全固定にしてました。


(写真3) 今回はパイロットとレーダー手を乗せるぜ。パイロットのおっさんは首の角度を変えてこちらに向いてもらってます。

(写真4) タミヤの良心、メタル製の脚庫兼コクピットブロック。これのお陰で尻餅防止のオモリが要りません。流石だね、ステキだね、これだからタミヤは止められないね。でもデカールの寿命が短いのは何とかして下さい。え、とっとと作れば良い?あ、はい、そうですね。返す言葉がございません。


(写真5) 主翼前縁の着陸灯はいつものように瞬間さまでくっつけてガシガシ削った後に磨きだしてます。まぁこんなもんじゃね。


(写真6) パイロットとコクピットをばしばし塗った後に接着。彼らが乗ってくんないと胴体がくっつけられないのよ。ウェイトも兼ねとる訳だしね。ちなみにフィギュアを乗せたがらない人は多いけれど、わたしは逆に乗せたい派。乗っているのと居ないのとじゃ模型としての面白みが段違いだと思うんだよね。戦車関係の人達は特にフィギュアが居ないと物足りないって人が多いような気がする。


(写真7) 胴体もぶった切ってネオジム磁石を装着。写真じゃ見え無いけれど反対側にも三個くっつけてるから計六個の大盤振る舞い。翼も勘定に入れたら全部で一〇個じゃ。胴体は後半部がめちゃ長いから念を入れておりまする。

(写真8) 今回のキモの一つ、マスターのリヒテンシュタインアンテナ。ドイツの夜戦っていったらコレ、ってくらいにメジャーなレーダーアンテナです。そのせいかお店の方でもしょっちゅう品切れになってて手に入れるのが一苦労でした。やっぱ金属パーツの頑強さは魅力だよね。



(写真9) メタルパーツをシンナーで洗っている内に小物からやっつけていきましょうかね。まずは足回りをぷーと塗っとく。


(写真10) 消炎排気管もクリアー抜きした通称「カサカサフラットブラック」でぷーと吹く。でもクリアーが無いから定着が弱くてすぐ剥がれちゃうんだよね。だから下地に普通のフラットブラックも塗ってます。二度手間に見えるけれどこのカサカサっぷりが後々効いてくるのよ。


(写真11) 機体下面色はウッドブラウンを混ぜた茶褐色と、同じくウッドブラウンを混ぜたフラットブラックの二種類を準備。黒塗装は黒で塗らないのがキモじゃね。

(写真12) まずはモールド部分を黒で塗った後に茶褐色的な混色を筆塗りしてムラの部分を純粋なウッドブラウンでぷーと吹く。これで下地は完了じゃ。この後に先のフラットブラック的な混色をパネルラインに沿って太めに塗りつぶせば下面色は出来上がり。


(写真13) 下面が出来上ったらいつものよーに茶褐色でスミ入れ。キャノピーもついでにマスキングして黒でぷー。

(写真14) グレイバイオレットでだだーっとベタ塗り。然る後に下描きしてライトブルーで蛇行迷彩を細吹きで塗ってまいます。しかしこの状態だと蛇行というよりも唐草じゃね。


(写真15) なんか異様な迷彩になったような気もするけれど気にしないでおこう。まるで寄生虫が這ってるみたいだなんて思ってても言っちゃダメ。夜トイレに行けなくなっちゃうよ?



(写真16)架空機なんだけれどデカールはキットの物をてきとーに切り刻んでチョイス。でも薄くて下地が透けちゃうんだよね。しょーがないから黄燈色でペタペタ上塗り。



(写真17) ぎゃー、バケモノー。ドイツだけじゃなくってヨーロッパ界隈ではこーゆーシャークマウスっぽいモノを「カワカマスの口」って言うらしいです。メッサーの110にもあったし、そんならってんでウーフーにも描いてみました。でもこの状態だとエイリアンの幼生体みたい。

(写真18) ノーズアート描いてる合間にレーダーアンテナでも作っとこうかね。切削油を洗い終わったヤツをマスキングテープでバチバチに養生した後、ハンダ付け。真ちゅう相手ならコッチの方が安心できる。ハンダを流し込む為にペーストは使った方が楽です。作業後にまた洗う必要があるけれど効率は段違いじゃ。


(写真19) 最後はスピナーでも塗っとこうかね。渦巻きでなくとも良かったような気もするけれど趣味は納得してこその趣味なのであります。

(写真20) そんなこんなで完成です。分離合体を目指したり蛇行迷彩試してみたり色々やったけれど思った以上にスムースに進んで良かった良かった。やっぱ基本となるキットが良質だとストレス無いのう。タミヤ最高って叫びたくなっちゃうわ。作った後はみんなにお薦めしたくなるメーカーだよね。
 ほーら、ほら。あなたはタミヤを作りたくなーる、作りたくなぁ~る。だんだん気持ち良くなってくる。そろそろ辛抱できなくなって来たのではありませんか?
「それでは、さあ皆様もご一緒に」


(写真21)
おまけ。磁石のお陰でこんなにコンパクトに。これで日本も安心だぁ。



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