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特集 船

  英国海軍戦艦 クイーン・エリザベス1918
(ピットロード 1/700)

  by 平針みなみ HIRABARI Minami



 今回は、エリザベス一世にちなんで命名された戦艦クイーン・エリザベスの1918年バージョンを作ってみました。
クイーン・エリザベス級戦艦5隻の1/700キットは、ピットロードとトランペッターからいろいろ出ていますが、両社のキットは基本的に同一のもののようです。その中で第1次世界大戦の頃のクイーン・エリザベス級戦艦は、クイーン・エリザベス1918とウォースパイト1915が出ています。この2艦のキットのパーツはどちらも同じもので、ネームプレートのみがそれぞれの艦のものになっています。キットにはエッチングパーツも入っています。
ピットロードからは「エッチング付限定版」として追加のエッチングパーツ付のキットも出ていました。こちらのエッチングパーツは、ピットロードからクイーン・エリザベス用として市販されている「PE-225 WW-Ⅱ 英国海軍 戦艦 クィーンエリザベス」と同じものです。「ウォースパイト1915エッチング付限定版」に入っているエッチングパーツも同じもので、クイーン・エリザベス用となっています。



ピットロード 1/700 クイーン・エリザベス1918は、フルハルモデル、ウォーターラインモデルのどちらも作れるように、下部船体(艦底部)と水線板(船底パーツ)の両方がセットされています。艦首の喫水線下が古い形状なので、それが見えるようにフルハルモデルとして作ろうと思いましたが、上部船体と下部船体とをズレないように接着するのが難しかったので、ウォーターラインモデルとすることにしました。

キットにはエッチングパーツ1枚が入っていますが、一部を除いて使いませんでした。
艦橋パーツの前側面3段に貼るエッチングパーツが用意されていて、壁面に沿って折り曲げるようになっていますが、折り曲げやすくするための切れ込みが入っているので、エッチングパーツを壁面に貼るとその折り曲げ箇所の処置が面倒なので貼りませんでしたが、壁面にある窓は、エッチングパーツをテンプレートとしてピンバイスで窪ませて再現しました。艦橋後部左右の支柱(前檣楼支柱)のパーツの1本が行方不明になっていたので、両方とも真鍮線に置き換えました。

主砲の38.1cm連装砲のパーツは、砲身基部の防水布が再現された1本ずつのものと、防水布が再現されていない連装式のものとの選択式で、防水布付のものにしました。砲身の先端部分は、ピンバイスで穴を開けました。実艦では、通常はフタをしてあるのでしょうが模型としての見栄えとして。
砲塔側面の梯子はエッチングパーツが用意されていますが、実艦の写真を見ると梯子が取り付けてあるものとないものとがあり、作業等で必要なときにかけるようになっているものと解釈してエッチングパーツは取り付けませんでした。

煙突口のファンネルキャップ部分のエッチングパーツは、細いうえに柔らかい材質なのですぐに曲がってしまい真っ直ぐに取り付けるのが困難でしたので、0.2mmの真鍮線で作り替えました。

キットのアンカーチェーンのモールドは実感が乏しいので削り落とし、モデラーズの「超極細チェーン」を取り付けました。

箱絵にも描かれているマスト上部のトップヤード(横棒)が、キットではオミットされているので、0.2mmの真鍮線を適当にカットして接着しました。

塗装
船体の塗色は、キットの指定ではクレオスのC35明灰白色(90%)+C62つや消しホワイト(10%)、木甲板はC44タン、艦載艇はC43ウッドブラウン、喫水線はC33つや消しブラックの帯となっています。
一方、ウォースパイト1915では、船体をC333エクストラダークシーグレーと指定しています。両キットの箱絵を見ても、クイーン・エリザベス1918の方が明るいグレーで、ウォースパイト1915の方は暗いグレーとなっていますが、実際のところどうだったのかは分かりません。
今回は船体の塗色として、C35明灰白色(三菱系)をビン生で使用することにしました。

下地塗装としてC40ジャーマングレーを全体に吹き付け、その上からC35明灰白色(三菱系)を吹き付けました。
さらに船体については、タミヤエナメルのXF-66 ライトグレイにXF-2 フラットホワイトを混ぜてC35明灰白色に近い色にして筆で塗りました。

木甲板は、下地塗装の上にタミヤエナメルXF-55 デッキタンをそのまま塗りました。木甲板の色を竣工時ならともかく、タンやウッドブラウンそのままで塗るのはいかがなものかと思います。

カッターボートの外側は上記の船体色、内側はC43ウッドブラウンとC39ダークイエローを混ぜ、C62つや消しホワイトを少し加えたものを塗りました。



当時の艦載艇(内火艇)の色は、ちょっと調べてもよくわかりませんでした。『世界の艦船 第250集 1月号増刊 大英海軍の栄光と黄昏』の62ページにあった上空からの写真によると、周囲に艦載艇等が浮かんでおり、艇の上面中央部が暗く、その周辺が明るく写っています。色は分かりませんので、中央にある構造物はダークグレーで塗りました。(タミヤ 1/350 日本艦 艦載艇セット中の内火艇と同じようなイメージでよいかと思います。もちろん船体側面等はライトグレーで。)

なお、この写真を見ると、砲塔天蓋や15.2cm単装砲前方の甲板等も濃い色になっていることが分かります。その部分をタミヤエナメルのXF-53ニュートラルグレイで塗ってみたのですが、写真と比べるともっと濃いほうがよさそうなので、フラットブラックを適宜混ぜて塗ってみました。なお、露天艦橋も暗く写っています。






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