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(Photo) SAAB 91 Safir

by  コルディッツ
博物館実機写真

 サーブ91サフィールは、スウェーデンのスベンカ航空機(SAAB) 社が開発し、1945年に初飛行、323機生産された練習機です。
 ドイツのビュッカー社に引き抜かれ、Bü131やBü181を設計したスウェーデン人アンデルス・J・アンダーソンが、サーブ復帰後に設計した全金属製機です。Bü181と同様にサーブ91は軍と民間の双方で広く運用された優秀機でした。
 母国スウェーデンにノルウェー、フィンランド、チュニジア、エチオピアの空軍で練習機として運用され、我が国も防衛庁技術研究本部(当時)がサーブ91B型を1機購入、改造向きの機体構造を活かし、主に3つの形態(X1G1、X1G2、X1G3)に順次改造され、岐阜試験場で各種の実験飛行を実施しました。その成果はC-1、MU-2、T-2、UF-XS実験飛行艇、PS-1/US-1、飛鳥に活用されています。現在は岐阜かがみはら航空宇宙博物館に展示中です。
※ 本稿は博物館の標示、「世界の軍用機図鑑」(コスミック出版)、Wikipediaを参照しました。  

   Bücker Bü181 B-1  D-ECYV 2011年5月撮影
 ドイツ博物館航空機館(オーバーシュトラスハイム)にて

   ビュッカーBü181ベストマンは1939年に初飛行し、3,400機が生産され、サーブ91の開発に大きな影響を与えました。
 日本では映画「大脱走」の出演でご存じの方が多いのでは。

   SAAB 91B-2 Safir 57-329
 ノルウェー空軍博物館(ガーデモエン)にて  2012年8月撮影


 ノルウェー空軍は1956年から25機のサーブ91B-2練習機を導入しています。サーブ91はA型、B型、B-2型は三座で、C型とD型は四座です。B-2型はノルウェー空軍専用で、B型を小改造した型ですが、詳細までリサーチに至らず、申し訳ございません。
 B型、B-2型はライカミングO-435-A 空冷水平対向6気筒 190hp を搭載します。次の写真は三座席のコクピットです。  




   SAAB 91D  SF-2 2018年7月撮影
中央フィンランド空軍博物館(ティッカコスキ)にて


  フィンランド空軍は35機のD型と1機のB型を導入しました。
 D型はライカミング O-360-A1A 4気筒180hpを搭載しました。
 博物館内にD型(SF-8)のコクピット部分が展示されています。  




 コクピット配置と複操縦装置はBf108にも似ている気がします。  


 D型は四座席ですが、後方区画に棚を設置して、三座席に替えたようです。


 SAAB X1G1 (91B改造) TX-7101 2018年10月撮影
岐阜かがみはら航空宇宙博物館(各務原市)にて  


   機体後方の飛行艇はUF-XS飛行艇です。
 エンジンはサーブ91B型のライカミング O-435-A 空冷水平対向6気筒 190hpのままです。  




 サーブ91B型は主に3つの形態(X1G1、X1G2、X1G3)に順次改造され、展示機は最初の形態(X1G1)に戻されています。    



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