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誌上個展

B-17F(メンフィスベル) (アカデミー 1/72)

  by 老人とプラモ

 メンフィスベル号は1943年5月に25回出撃達成(ご褒美は本国帰還)し米国の戦時広報で大きく宣伝された機体です。当時はドイツの防空力がまだ健在であった時期で、仮に個機の生還率が0.9であったならこれを25乗すると0.0717896、、。驚くべき幸運機であったことになります。
 実は中学生の時にレベル社のB-17を作りかけて果たせなかった思いがありアカデミー製で再チャレンジしました。このキットは細部の造りは大雑把で、主翼の開口部や補器類の形など正確とは言えません。が大雑把なりにこちらもエイヤで、4発機を組み上げることができたよう気がします。もちろん素組です。とは言え、このキットのをそのまま組むと主翼上反角が上面で5度以上(図面上は中正面で4.5度 上面では約2.5~3度)となり、これを上面翼端が操縦席窓のチョイ下になるように修正(胴体と主翼取り付け面にプラ板を埋め込みパテで整形)しました。

 翼幅44cmでショウケースの一段を独占してしまいます



 爆弾は作ってあるのですがこの角度では見えません。主翼前端や上面のいくつかの開口部はそれらしく黒艶消しで塗りました。機首右側の四角窓が胴体の表面から飛び出しているのは作業者の未熟の所為。戦場写真家のR.キャパが、B-17の機首を撮った写真には新装備のノルデン爆撃照準器が写っていたので公開不許可になったという有名な逸話を思い出します。



 操縦席上面と胴体のラインの段差、透明部品と胴体のスキマ、主輪ホイール突起のデカール面への突き出し、銃座の連装銃の平行度、等々、写真は正直です。



 実戦では迎撃機が射線にB-17を捉えても射程圏内に近づくと照準器に入りきらないそうです。このくらいの全姿が照準器に移るのはまだ遠すぎ、しかしさらに近づくとB-17の尾部、胴体上、胴体下の計6挺の機銃で狙い撃ちに遭います。



 通常、模型としてみるのはこの角度なので、写真-3での欠点はほとんど気になりません。また、今では メンフィスベルの迷彩パターンは 帰還後の実機とレストア機のいろんな角度からの写真があり、お陰様で、ほぼ、それらしく塗ることができます。緑のトーンがおかしい?いやそれは光の加減です。





 オハイオ州デイトンの空軍博物館にあるメンフィスベル号はスクラップになる直前の本物をレストアしたものだそうです。 


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