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 (Photo) トランザール C-160

by  コルディッツ
博物館実機写真

 トランザールC-160はフランスと西ドイツが共同開発した軍用輸送機で、ロールス・ロイス タイン ターボプロップエンジン2基を装備します。それまで運用していたノール・ノラトラの後継機を目指し、採用を争ったのは、ロッキードC-130です。
 C-160はフランスのアエロスパシエル社と西ドイツのメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム社が共同出資した「トランスポルト・アリアンツ社」が開発に取り組み、1963年2月25日に原型機が初飛行に成功しました。双発ながらC-160は、欧州の鉄道のゲージ、標準軌サイズの鉄道貨物の規格に配慮し、鉄道貨物を運べるだけの広さの貨物室を設置しています。総生産数は214機で、軍用機としてフランス、西ドイツ、テュルキエ、 南アフリカ共和国で運用され、民間機としても運用されました。
※ 本稿は博物館の標示、「世界の軍用機図鑑」(コスミック出版)、英語版Wikipediaを参照しました。

  C-160R Transall R18 2016年8月撮影
 フランス航空宇宙博物館(ル・ブルジェ、パリ郊外)にて


  R型は、前期生産型でフランス航空宇宙軍仕様のF型の中から、後期生産型のNG(New Generetion)型に準じる改装を施した機体に、新たに付与された型番です。改装作業は1980年代の終わりに行なわれました。その前の1978年5月19日、展示機はザイール(現コンゴ民主共和国)のコルヴェジに、欧米人の人質救出のため、第2外人落下傘連隊の将兵を落下傘降下させました。


  前任者のノール・ノルトラの落下傘兵の定員は36名でしたが、C-160の落下傘兵61~88名と2倍以上に増えています。
 エンジンは6,100hp に出力向上したロールス・ロイス タインです。フランス空軍のC-160は2022年に退役しました。


   C-160 D Transall  50 + 56 2014年8月撮影
 ドイツ空軍博物館(ガトウ、ベルリン郊外)にて


  D型は前期生産型の西ドイツ空軍仕様機で、110機生産されました。このうち20機が1971年にトルコ空軍に売却され、C-160Tと型番を変えました。 

  C-160 D Transall  50 + 99
 技術博物館(シュパイアー)にて     2020年3月撮影




  技術博物館のC-160 Dは、2011年にドイツ空軍から寄贈されたものです。 D型(F型、T型も)のエンジンはロールス・ロイスタインターボプロップで5,670hp。このエンジンを2基装備して最大速度523km/hを出します。C-160のドイツ空軍での運用は2021年に終了しました。
(エンジンのデータには数値の異なる資料があります)


  C-160 D Transall  69-022
イスタンブル航空博物館にて       2019年3月撮影




  トルコ空軍は20機のC-160 Dを1971年から1972年にかけて購入しています。博物館の標示では、搭載可能人員は兵士は93名、患者は62名、落下傘兵士は61名で、重量は16トン相当とありました。英語版Wikipediaによれば、2023年にテュルキエ(トルコの新しい表記)空軍で運用されているC-160は2機との事です。






  高翼で後部に貨物扉を設け、主輪をバルジに収めた、典型的な輸送機のスタイルですが、米国産と異なる機能美を感じます。



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