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メッサーシュミット Bf109G-6 (エアフィックス1/72)

  by 加藤 寛之



 衝撃の製品だった。
もう半世紀も前になる。レベルのフィターシリーズが全盛のころ、レベルのE型メッサーシュミットに対して、G型ならばエアフィックスだった。そのエアフィックスは、翼下に機関砲を吊るしたG-6だった。今回組んだ製品はその更新版・・・だ。

 箱を開けた。
“あれ?” “何だ、これは!”それが第一印象だった。以前のG-6のキットに似ているのだ。何となく細い胴体、翼下の機関砲とロケットランチャーといったパーツの作り方、主翼の形も雰囲気が似ている。太くなってタイヤのために突出した上面のふくらみも、昔のキットに似ている。水平尾翼もどこか似ている。スピンナーがちょっと丸くて短い印象も同じだ。主脚はカバー内面と一体という大胆な構造になっている。機首左の吸気口は、どこかモッサリで、砂漠地用のフィルター付パーツもこれまたお手軽な造形。コックピットは椅子だけで、風防もゴツい。ピトー管やエルロンのバランスウェイトはもちろん省略。あちらも、こちらも、旧キットを思い出させる。何といっても、機首上面にあるコブまで堂々と左右で繋がっているのだ。

“何だ、これは!”の印象が落ち着いてから、冷静に考えてみた。
これはおそらく、旧キットの「感じ」をそのままに更新した製品なのだ。旧G-6の金型はスナップキット的に改造されて店頭で見なくなり、立派にプラモデルとしての使命を終えたのだろうと推定する。エアフィックスは、あらためてそのキットを今風に再現したに違いない。
もちろん、現代のキットである。椅子は左右胴体に接着して胴体幅を決める構造になっており、主翼下面パーツは左右一体で上反角を決めやすくなっている。機首下面の吸気口は別パーツになって、旧キットの崩れた感じを改善している。タイヤも少しだけカッコいい。もちろん、全体の形は改善されているし、表面のパネルラインは凹線になっている。
しっかりとした製品になっていて、それでいて古いキットの味を再現しているのだ。



組む。
昔のキットのようなパーツ構成だから、何も考えずに組める。お人形さんを乗せないと椅子に穴があるとか、翼下の機関砲をつけないと穴はどうするんだとか、気になる人は直せばよい。そうはいってもプロペラはちょっとマズくて、これは薄く削ったほうがよい。もう一つ、垂直尾翼先端も薄く削ったほうがよい。ピトー管もつけておこう。

塗る。
特に書くこともない。上側面を灰色系2色で塗り、下面の水色はキットのプラ成形色のままで塗っていない。このキットのデカールは2種が入っていて、スズメバチのような塗装のドイツ機と、作ってみたスイス機だった。砂漠用やロケットランチャー装備は、別デカール製品なのだろう。最後に光沢の缶スプレーをプ~~~~~としてオシマイにした。



完成。
このキットは、古いG-6のキットの味を思い出して楽しむ製品だ。このキットを購入したならば、“この箱の中に、あの楽しかったときの感じが入っている”“資料なんて見なくて作っていたなぁ”なんて、考えただけでも心が温くなる。もちろん、作ればもっともっと楽しい。精密を求めたり、手を加えたりしたいならば、他の製品にすればよい。
私は、これはこれでいいと思う。プラモデルって、楽しいことが大切なのだから。
「エアフィックス様、さすがです。」
これが結論だ。


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