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特集 フジミ

試製流星 (フジミ 1/72)

  by 加藤 寛之



 本Web誌2023年5月号の特集の一つがフジミだったので、この機会に作ってみた。新発売ころに買ったように思う。作らなかった理由は、オレンジ色塗装だから。入手したキットの成形色がオレンジなのはいいのだが、やや透けている。このような成形色のキットで機内に色を塗ると、塗った部分だけ光が透過しなくなり色が濃く見えてしまう。透けない地色を全面に塗ってからオレンジを塗れば良いのだが、それは面倒だし厚塗りになる。塗装嫌いの私は、それを理由に作らないでいた。自分で買ったのにね。
 今回は、色のことを気にしないことにして、製作に着手した。



  開封。キット本体は以前に作ったことがあるので問題ナシ(そのときの記事は本Web誌2010年10月号をご覧ください)。

 さて、試製流星とあるので一応、チェック。
① 主翼前縁に機銃取付け用の窪みがある。機銃は付けない指定なので、窪みを埋めた。ランナーを削り、その削りカスを流し込みタイプの接着剤で溶かしてパテとして使う。乾かして削れば、色も材質も本体と同じなので、上に塗った色に差がでない。
② 機銃がなければ、薬莢排出口もいらない…が、面倒なので気づかなかったことにする。
③ 試製流星は、機首下面の冷却器が小さいように思う…けれども思わないことにして、キットパーツをそのまま使うことにする。
④ 試製流星は、主脚カバーの下端の形が違うように思うので、下端を切り落とす。タイヤ側は閉時用パーツを加工して使う。
⑤ それ以外はキットのまま組む。

 組み立てでは、主翼上下パーツの接着の際に、下面動翼側のスキマをなるべく少なく調整。胴体は床パーツと胴体側面のスキマ部分にランナー片を落とし込んで接着し、胴体幅をしっかりと固定する。風防と胴体とのスキマ調整はホドホドにして、残ったスキマは水性ボンドを入れて膜をつくり塗ってごまかす。

 塗装する。オレンジ色は鉄道色で、買い置きのグリーンマックス朱色1号を使った。ちょっと赤が強いが、まあいいや。機首の黒に使った色、はカウリング色だったと思う。スピンナーは色指定がなかったので銀にした。プロペラは裏面黒の指定はあるが、両面とも鉄道色のぶどう色で塗った。アンテナ柱もぶどう色で塗った。ともに違和感ナシ。
デカールはキット付属のものが使えて、助かった。



オマケ1:銀色の試製流星
 塗装しなければ、日本機もジュラルミンの銀色である。流星は完成直後に未塗装でテストを始めた。『航空ファン』1975年10月号掲載の回想記には「…海軍の試作機がロールアウト後の地上滑走、ジャンプテストなどを毎日くりかえしテストしていました。未塗装で銀色に輝く逆ガル低翼の攻撃機で、機名は艦上攻撃機流星といいました。」とある。軍の領収前だから、垂直尾翼に「コ…」の機番もない状態だろう。その後、この「一号機が黄色い機体に日の丸を染めぬいて、横須賀航空隊に配属されたのは昭和18年末頃である(『世界の航空機』1953年10月号)」。

オマケ2:プロペラ裏面は黒、もアリか
 『航空ファン』1956年5月号の投書欄に、以下のような内容が掲載してある。読みやすくして紹介する。「なお(垂直尾翼の番号は)、紫電改、天雷、連山、橘花は「ヨ-(番号)」であったと思う。終戦時、試作機色(橙色)は景雲のみで、他は全部緑色であった。…垂直尾翼番号は黄色であり、末尾番号が機首カウリング、脚カバー、一式陸攻は前方銃座横に描かれてあった。…彩雲、流星等はエンジンカウリングが黒塗りで、プロペラは茶色が一般である。プロペラの端を黄色く、裏側を黒く塗ったものもあった。」

オマケ3:流星の機内色
 「生産されたうちの3割までが青灰色、残りが黄緑色」という話は、「設計者尾崎紀夫氏談による」(『航空ファン』1961年1月号)。


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