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(Photo) Martinsyde F.4 Buzzard
by コルディッツ
博物館実機写真
マーチンサイド F.4は、第一次世界大戦末期に英国空軍に配備されましたが、しかし実戦は未体験の複葉単座戦闘機です。
前代のF.3は1917年11月に初飛行し、最大速度229km/hを出して英国空軍に採用となりますが、エンジンのロールス・ロイス ファルコン V-12 が支障になります。ファルコンはブリストル F.2ファイターも搭載し、F.3には廻らないからです。そこで搭載のエンジンをイスパノ・スイザ 8Fbに換えたF.4が急遽開発され、1918年6月に初飛行します。高速性能を維持したまま優秀な性能を示し、1,450機が発注されましたが、57機を納品した時点で終戦になります。総生産数は370機(又は324機)に止まりました。
固定武装はヴィッカース7.7mm機関銃2挺で、最大速度212km/h(別説有り)は、WWⅠの中で高速機と呼ぶに相応しい速度です。
なお愛称のBuzzard はタカ科の属するノスリの意味です。
※ 本稿は博物館の標示、タングメア軍事航空博物館のサイト、「世界の軍用機図鑑」(コスミック出版)、Wikipediaを参照しました。
Martinsyde F.4 MA-24 2013年11月撮影
中央フィンランド空軍博物館(ティッカコスキ)にて
戦後は英国空軍に少数機配備した外、フィンランドに15機、
スペインに30機(又は20機)、ソ連に41機が輸出されました。
スペインのF.4のうち6機は1936年の内戦に参加、フィンランド
は1940年まで運用しています。そのためマーチンサイド F.4の
たぶん唯一の残存機はフィンランドに在ります。
中央フィンランド空軍博物館は、意図していないでしょうが、
世界で唯一のコレクション(フォッカーD.21、B-239バッファロー、
ミルスキ等)が多いと分かっていたので、マーチンサイドF.4を
所蔵する唯一の博物館と知っても、驚きはなかったです。
以下は2019年8月撮影
北欧らしくスキーを装備。この種の改装は手慣れているかと。
博物館の標示では最大速度は海面上で190km/hとなっています。
外見からも巨大なエンジンは、パワフルな印象です。
イスパノ・スイザ 8Fbエンジン(300hp)は、この後イスパノ・
スイザ 12Yに発展して行きます。
1918年初飛行の戦闘機を1940年まで運用するフィンランドの
倹約思考には頭が下がります。パルプと地下資源しか産業のない
貧乏国には高望みはできませんでした。しかし冬戦争と継続戦争
(第二次世界大戦)で教訓を得たフィンランドは、以降現実的な
国防政策を続け、現在はF-35を導入し、NATO加盟寸前まで変貌
しました。中学生の頃、航空情報誌に掲載された「森と湖と空」
を読み、フィンランドフリークになって、フィンランド空軍史
を追っていましたが、この1、2年の急激な変化に驚いています。
時代の転換期に入ったのかもしれませんね。
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