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特集 SF & キャラクター

  <Zの時代>

  by  Windy Wing 2013

今回はバンダイの<機動戦士ガンダムシリーズ>、いわゆる「ガンプラ」からテレビアニメ<機動戦士Zガンダム>に登場するモビルスーツを中心にご紹介いたします。

<バンダイ 1/144 機動戦士Zガンダム ガンダムMk.II&Gディフェンサー>


<Z(ゼータ)の時代>ということで、恥ずかしながら、今回の<機動戦士Zガンダム>にまつわる作品はHGUCシリーズもアクションベースも存在しない四十年近く前のものばかりです。この<RX-178ガンダムMk.II>と<FXA-05D/Gディフェンサー>が合体した通称<スーパーガンダム>もダサい箱絵の1/144キットをふたつ組み合わせて、体裁の悪いスタンドを自作しなければならなかった時代のお話で、ここで行っている付加工作やスミ入れなどを見れば、当時の月刊誌を必死に追いかけているその姿は涙を誘います。


<バンダイ 1/144 機動戦士Zガンダム ディジェ>


ただ、私の作品の巧拙はさておき、バンダイの「ガンプラ」としての造型はこの時期、すでに一定の水準に達していたことが、上記の<スーパーガンダム>やこの<MSK-008ディジェ>からはっきりと見てとることができます。バンダイ最初の「ガンプラ」、かの直立不動の「ガンダム」や「シャア専用ザク」とは一線を画すプロポーションと可動域の改良が<Zの時代>にはすでに確立されていた、という状況は、ただの「ロボットおもちゃ」を超越しようとした「ガンプラ」企画の姿勢を知るうえで、模型史上の重要な転換点を示すものと申せましょう。


<バンダイ 1/144 機動戦士Zガンダム マラサイ>


この<RMS-108マラサイ>のデザインが発表されたときには、これこそ「やられメカ」の正統派後継、とひとり提灯を掲げたものでしたが、結局<機動戦士Zガンダム>の中ではさしたるバリエーション展開もないままの没キャラで終わってしまいました。キットもこのマラサイだけは非常に出来が悪く、兜の後半を全面的に作り直し、固定ポーズにしてなんとか鑑賞に堪える程度のものでしたが、今はHGUCで優秀なキットが発売されているので、これは是非とも再チャレンジしてみたい機体のひとつです。


<バンダイHG 1/144 水星の魔女 XGF-02 ガンダム・ルブリス>


そしてこちらは最新の「ガンプラ」<水星の魔女/ガンダム・ルブリス>。今回の製作にあたり、アニメ「機動戦士ガンダム/水星の魔女」もプロローグから視聴してはいますが、自身はこの世界観にはまったく感情移入することができません。しかしながら、そんな私でも久しぶりの「ガンプラ作り」を満喫できた、という事実からむしろ、本キットは玩具としてひとつの頂点に達している、と結論することができるのかもしれません。




<Zの時代>に投げかけられた「はたしてガンダムはメッサーシュミットやスピットファイアに取って代わるプラモの定番となりうるか?」という問いかけに対する冷厳たる解答が出てしまった現在、航空機モデラーとしては忸怩たる感ありとはいえ、二度切り無用、白化け歓迎、塗装しない方がきれいに仕上がる極上のモデリングが楽しめるこの時代を、今は素直に享受したいと思います。



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