Home  > LOCKEED U-2R & TR-1A DRAGON LADY (DRAGON 1/144)>特集 偵察機&観測機>2023年8月号

特集偵察機&観測機

 LOCKEED U-2 R & TR-1A DRAGON LADY
(DRAGON 1/144)

by 五六式(TYPE-56)


偵察機&観測機特集ということでドラゴンのU-2を作りました。

<実機について>


 前が,U-2Rで後ろがTR-1A。実機は,どちらも主翼にスーパーポッドを装備するのでU-2RでかTR-1Aかは,シルエットだけでは識別できない。また,空気取り入れ口付近から主翼取りつけ位置にかけてのラインがF-104と似ていることが分かる。

 迎撃機が到達できない高高度を飛行して敵対する国の領空に侵入し,偵察活動を行うことを目的として開発されたジェット偵察機。機体構造の一部をF-104と共有するが,主翼が非常に小さいF-104とは対照的にグライダーのような長大な主翼を採用している。

 U-2のUは,UTILITY(雑用機)を表すが,実質は,戦略偵察機(STRATEGIC RECONNAISSANCE)である。

 U-2Rは,これまでのU-2 の第一世代機(A〜D型)のエンジンを換装し,機体を大型化した第二世代機で,それまでのA〜D型より偵察能力が大幅に向上している。


 TR-1は,U-2Rとほぼ同じ機体であるが,本当の用途をおおっぴらに明かせないU-2と違って戦術偵察(TACTICAL RECONNAISSANCE)のための機体であることを機体名で示している。ヨーロッパに展開したTR-1Aの部隊は,ワルシャワ条約軍機甲部隊の動向を監視する任務に就いていた。

<キットについて>


 初版リリースは,両キットともに2012年で,基本的には同じキットですが,TR-1の方には,スーパーポッドがついた主翼の部品が入っています。両キットともに,使わない部品が入っているので,別仕様の機体のキットをリリースする予定があったのかもしれません。

<製作>
 ドラゴンの飛行機キットにしばしば見られるパイプ状の部品を芯にして胴体部分を継ぎ足していくという組み方になっています。このキットの構造は,機体の強度が確保できますがそれに頼り切っていると垂直尾翼の角度や胴体前部の取り付け角がおかしくなってしまうので注意が必要です。

※組み立て説明図の通りに組むとコクピット周りの部品が組みこめなくなるので注意が必要です。


① U-2Rの組み立て説明図の部品A16の取り付け方は,間違い(※TR-1の組み立て図は,正しい)。機体内部から機体下面方向に押し出すように取りつけます。この部品は,コクピットフロアになる部品A7の位置決めのためのストッパーになっているので最初に取りつけます。取り付けのための穴はややきついので無理して押し込まず,少しずつ穴を広げて調整します。無理に押し込むとA16が飛び跳ねて行方不明になります。

② コクピットフロアとコクピット内部を塗装して機体前部の部品の後ろの開口部からコクピットフロアの部品A7を差し込んで接着します。説明図のように座席や計器盤などを組み込んでから差し込むことはできません。塗料の厚みで部品の合わせがきつくなるのでA7の底面を少し削り込んで調整しておきます。計器盤もきつくなるので削り合わせが必要です。

③ すぐに機首先端を接着せずに機体前部の部品の前の開口部に丸めたプラ板を差し込んで計器盤と接着し,なんちゃってコンソールにします。



     
  ④ 飛行姿勢にしたいときは,他のキットから搭乗員をスカウトして乗せます。与圧服らしく見せるために顎の部分をパテで埋めてフルフェイスのヘルメットらしく成形しました。

⑤ 脚収容庫の取り付けがきついので削り合わせをしておくことをおすすめします。


 主翼は,接続部を削り合わせることで合わせ目が目立たなくなります。左が,削り合わせをした場合で,右が,キットのままです。


 キャノピーの塗り分け線は,部品にモールドされていません。しかし,リリパット・エアフォースさんから発売されているマスキ
ングシートを利用すれば,この問題は簡単に解決します。1枚で6機分セットされているので複数キットを持っていても,もし失敗しても,この1枚で対応できます。

 もともと,実機にはマーキングがほとんどないのでデカール貼りは楽でした。垂直尾翼に貼る白いラインは,良い筆を使って適正な濃度の塗料を使えば,塗装した方が楽に仕上げられます。  


<完成>
U-2R


 言われるまでは,F-104と兄弟機とは分からないと思います。
 非合法活動をする機体なので国籍マークはペイントされていません。


 降着装置は,タンデム式です。写真には写っていませんが,駐機状態では,転倒防止のために主翼に補助輪をつけています。キットの塗装指定では,補助輪の支柱は黒となっていましたが,世界の傑作機No.171の実機写真を見ると,どの機体のものも赤くペイントされていました。これらは,オフィスチェアの車輪のように自由に向きを変えることができるもので実機写真を見ると写真によっていろいろな方向を向いていました。

TR-1A


細長い機体なのでピント合わせが難しいです。


両翼端が切れていますが,絵面としてはこれぐらいがちょうどよいと思います。


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