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特集偵察機&観測機

メッサーシュミットBf109H (レベル+MPM+ハセガワ 1/72)

  by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ



 Bf109の高々度戦闘機型と言われるH型は、未だに実機写真が発表されていない(発見されていない)謎めいた存在です。しかし、2000年代に入ってから英国諜報機関による大戦中の独暗号通信解読情報(いわゆるULTRA)や、独軍捕虜たちの間での会話を盗聴していた記録が順次公開され、その中から「Bf109H」についての情報が断片的に見つけられています。それらをまとめると高々度偵察機としてのBf109H像が見えてきた、というわけで、今回の「偵察機」のお題の下、ちょっと前の作品ですがBf109Hを取り上げてみました。
(新しく見えてきたBf109H像については、翔バナイカイHPのコラム欄にある「第123長距離偵察飛行隊第5中隊のBf109H」タイトルの駄文を見てね)



 従来から各資料で伝えられてきたものと上記駄文の内容を併せて、今回ターゲットとしたBf109Hの外形的な特徴は次のとおり。
①G-5ASからの改造機なので機首カウリングは脹らみが大きくなっている
②武装はプロペラ軸装備のモーターカノンのみなので機首上面の弾道溝は無し
③ガーランドフード装備
④Rb50/30カメラ装備⇒後部胴体下面にカメラ窓
⑤主翼は胴体取付部分で左右各々1mづつ延長。その外側に通常のBf109の主翼が取り付けられる。
⑥胴体下に500リットル大型増槽
⑦水平尾翼、垂直尾翼ともBf209タイプの大型
⑧プロペラ直径を300mm拡大 



MPMやペガサスからBf109Hと称するキットが出ていますが、それだけでは上記①~⑧をクリアできません。そこで、次のような内容で「切った貼った」のキメラ工作をやりました。
●胴体の大半はレベルのG-10キットを適用。
●主翼の延長部分と尾翼周りはMPMのH型キットから切り出して移植。
●延長部分の外側にくる主翼はハセガワのG型キットのパーツをまるごと移植。 



 ところで、この機体が5.(F)/123に配備された時の塗装については情報皆無です。しかしこの機体を嫌っていた同部隊のパイロットが捕虜になった後に「いっそこの機体を飛行場の真ん中に放り出してマスタングにでも始末してもらおうかと言っていた」などと語っている記録があります。このことからまともに地上隠匿用の迷彩はされていなかっただろうと推測し、思い切って全面RLM76という高々度用の迷彩を採用してみました。これだと塗装も簡単だし・・・その代わり単色塗装だけではつまらないので各部のステンシルはできるだけ描いてみました。あまり飛んでいないだろうと想像して汚しは控えめです。

というわけで、Bf109Hモドキの完成です。 


プロペラはジャンクパーツから適当なものを見つけて交換しています。


上面全景 


下面全景 


胴体下面。偵察カメラ窓と大型増槽のアップ。Rb50/30カメラの装備位置は通常の偵察型と同じと想定。レンズ窓開閉シャッターとオイルフェンスを追加工作。500リットル増槽は、Fw190で装備例があるものを参考にスクラッチ。 


主翼上面の延長工作。中央部はMPMの主翼パーツから切り出したものを使用。


主翼下面の延長工作。ハセガワの主翼下面パーツを中央で分割し、その間にMPMの主翼下面パーツから切り出したものを挿入して繋いでいます。白プラ部分は、MPMパーツにあったラジエター部を塞いだ跡。


「切った貼った」で十の字になった状態。胴体尾部のプラの色が異なっていますが、ここがMPMから切り出したパーツを移植した部分。


「切った貼った」のついでに、コクピットに手持ちのHiTechレジンディテールアップパーツを入れてあります。結構よい感じです。


おまけでフィギュアと合わせてみました。出撃直前。パイロットは地上員の助けを借りてパラシュートを装着中。それを見ながら隊長が最後の指示を告げている。というイメージです。 




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