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特集 英国現用機、民間機

BAC ライトニング F Mk.6 (タミヤ 1/100)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi

1960年代リリース クラシックプラモデルの作り方


 パーフェクトコレクション完遂!というのは、モデラーの見果てぬ夢の一つですが、最近 はたっと気づきました。
 それは 「1/100 ならばどのメーカーもシリーズが終わっていて、もう新製品はもう出てこないので、パーフェクトコレクションも夢ではないんじゃない」ということです。
 というわけで、タミヤの1/100 コンバットプレーンシリーズの押し入れ在庫を引っ張り出しまして、作り始めました。
 ちなみにタミヤの1/100コンバットシリーズは 2000年ごろ 再販になったようで、現在のメーカーサイトには11種類が掲載されています。

 このBAC ライトニングも ご存じのように60年前の1960年代のリリースで端正なスジボリと綺麗なモールドが売りでしたが、時代背景 当然のごとく、人が手で図面を書いた時代のプラモデルです。当時としては良く出来たプラモデルとの評判でしたが、スキマ、ダンチも多く、今回、完成させようとするとなかなかの難物でした。



 下は 旧版と2000年ごろの再販版の箱絵です。作者のサインはありませんが、非常に魅力的な絵ですね。

旧版の箱絵


再販版の箱絵


 下は部品です。いかにもな1960年代のキットの雰囲気が漂います。発売当初は 銀モールドだったので、塗装をせず完成させても それなりに飾れる状態になり、組み立ての満足が得られました。私も中高生時代は、塗装せずにプラモデルを作ることがほとんどだったのですが、それでも大変楽しかった想い出があります。
 この再販版だけでなく 21世紀のグレー一色で成型された飛行機プラモデル一般は、塗装をしなければ見られる状態にはなりませんので面白みがありません。顧客満足度は30年を経て 上がるどころか低下してしまったようです。

 再販版 グレーのプラスチックの胴体、主翼


脚部品など


 かたや、あちらの世界のガンダムやポケモンは 今では極めて高度な技術を用いたランナー内多色成型が一般的で、ゲート位置も熟考されており、もぎ取ってパチパチとはめるだけで、飾れる魅力的な姿に完成できるようにこの40年間で進化を果たしました。色プラこそプラモデルの本来の姿、少年層や一般層がガンダムに走るのも理解できます。
 一方、我々 飛行機モデラーはというと、最新飛行機プラモデルをランナーからはずして組み立てるだけでも、ニッパー、カッターナイフどころか、金属ヤスリ、耐水ペーパーやすりはもちろん、流し込み接着剤と瞬間接着剤,隙間ヒケ埋め用パテも必須です。これに塗装用具が加わります。
 ウーン 飛行機プラモデルはやはり遅れに遅れているかも。
というより、残念ながら 進化せず 時代にとり残された化石ジャンルという哀愁感が漂います。
 ガンダムがうらやましか~

製作

 1/100コンバットシリーズはカタログ落ちはしていないというものの 実態はほぼ絶版キットゆえ、疑似製作体験をご一緒にお楽しみ下さい。
 胴体の接着面は カマボコ板に240番耐水ペーパーを貼ったものを用意し、平らに削ります。これは、60年代キットを作る際のお約束でしょう。コクピット内は何もありませんが、外からほとんど見えませんので、そのまま進行します。
 左右胴体を貼り合わせます。現代は 革命的な速乾性流し込み接着剤「MrセメントS」のような神道具が発売されているので、貼り合わせはごくごく簡単になりました。
 下写真のように、あちこちに隙間、段違ができるので、丁寧にパテを盛って整形をして行きます。





 下塗りにMrサフェーサー1000を吹き銀塗装の下地を作ります。塗装はMrカラーのプレビアスシルバーを吹きました。
機首アンチグレアは黒つやけし。レドームはNo54カーキグリーン艶消しを筆塗しています。

 下はキットデカールです。サウジアラビア空軍機としたかったのですが、緑色が浅くて、ちょっと使うのが憚られました。
それでこれをスキャナーで取り込んで画像加工し、デカールをインクジェットプリンター用デカール用紙を用いて再製作しました。
この一手間でマーキングがすっきりとした仕上がりになりました。



画像加工後


完成

 デカールを貼り、腹部の黒線はハセガワトライツールの黒色曲面追従シートを細切りにして貼っています。
脚、キャノピー、主翼上の特徴ある増槽を取り付ければ見事に完成です。かっこいいフォルムです。1/100なので細部再現度の解像度は低いですが、作った人勝ちで、気になりません。
いまどき、1/100 タミヤ ライトニングを作った人は そうは居ないでしょう。そのお仲間の一人に加わりました。






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