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　A15 CRUSADER Mk.Ⅱ (RUBICON MODELS 1/56)

by 五六式(TYPE-56)

　先月に続いてルビコンモデルのAFVのキットを作りました。

　先月号で指摘したとおり，ルビコンモデルのキットは，組み立て説明図に塗装指定がほとんど無いに等しいという問題を抱えており，五六式は，購入後，８年間放置しておりました。先月，センチュリオンを作ってみて，キットとしてはなかなかよいということが分かったので，今回，もう一丁，挑戦することにしました。

＜実機について＞

　イギリス陸軍の巡航戦車(追撃や偵察を主任務とする戦車)のMk.Ⅵとして開発されたA15 クルセイダーは，1930年代末期に開発が始められ，1941年に最初の生産型であるクルセイダーMk.Ⅰが引き渡された。本車は，軽装甲で車重を18.8tに抑えたため，最高速度は43km/hに達し，優秀な機動力を備えていた。

　クルセイダーは，北アフリカ戦線に投入されたが，対するドイツ軍のⅢ号戦車と比べて攻撃力が劣り，苦戦を強いられることになった。しかし，装甲や武装の強化などの改良を加えられながら5300輌が生産され，連合国の北アフリカ戦線での勝利に貢献した。

＜キットについて＞

　リリースは，2015年。Mk.Ⅰ～Ⅲ及び，対空戦車仕様が全て再現できる部品とデカールが１つのパッケージに入っています。ほんの一部を除いて部品の合いもよく，形にするだけならば何の苦労もありません。しかし，前述の通り，塗装の参考になるものは，箱絵ぐらいでAFVモデラーではない五六式は戸惑うばかり。ネットで画像を漁りまくるとか，資料本を手に入れるとか，他のメーカーの他のスケールのキットの塗装図を参考にするとかしないと塗装を進めることはできません。ちなみに五六式は，タミヤのキットを持っていたのでその説明図を参考にしました。また，対空戦車仕様の塗装については，IBGの1/72スケールキットが役に立つでしょう。

　このランナー枠の部品は，Mk.Ⅰ〜Mk.Ⅲを作り分けるためのもの。その中で今回使ったのは，切り離した３つの部品のみです。

＜製作＞

　部品の精度は高いですが，砲塔の前面装甲の部品の取り付けには，難儀しました。接着前に部品の接合部の削り合わせをしておけばよかったです・・・涙・・・。

　　車体前面のライトは，ライトガードと一体になった部品を付けるかライトガードを自作するかの選択になります。１セット４つのライトガードを自作する場合，金属線や伸ばしランナーをキットに付属する治具に巻き付けて成型するのですが，・・・そないにうまくいくわけないやん・・・。結局，ごく細く切り出したプラ板を治具に巻き付け，部品を自作しました(でも，プラの弾性で元に戻ろうとする)。作った部品は，戦車のフロントにある取りつけ用の穴に差し込んでしっかり接着。次の日に指でつまんで形を調整しました。

　塗装は，全面つや消し黒のスプレー塗装で真っ黒な状態にしてからの筆塗り。黒とデザートイエローでは，コントラストがきつすぎるので今回は，全面黒になってから外側に露出している面だけをレッドブラウンでオーバースプレーしました。

　下塗りの上から，タミヤのアクリル塗料のデザートイエローを溶剤で希釈したものを少しずつ塗っていきました。深い溝や影になる部分に塗料が乗らないようにしていけば，墨入れの必要はありません。

デザートイエローの塗装２周目。この後，転輪やキャタピラなどを塗ってからはみ出しをチェックして修正し，デカールを貼ります。AFVは素人なので箱絵の通りにデカールを貼りました。車体後部にも何らかのマーキングがあるのかもしれませんが，確たる証拠もないので放置です。デカール自体は曲面にもよく馴染み，糊の強さもちょうど良い素晴らしいものです。　

＜完成＞

　タミヤアクリルのデザートイエローは，乾燥前は赤みが感じられますが，乾燥後は，黄色が良く出てきます。同じブランドの塗料でも色ごとに発色や塗りやすさに違いがあるのでデータを蓄積することが大切です。

車体後部の筒みたいなものは，燃料タンクだそうです。このキットは，燃料タンクの有無を選んで組み立てられます。

　断面が六角形になっている砲塔のデザインは，飛んできた砲弾を逸らせるためのもの。

クルセイダーの４年後に開発がスタートしたセンチュリオンと並べてみると，えらい違い(両者の用途が異なってはいるのだけれど)。戦争があると兵器はこんなに進化してしまうんだよね・・・怖・・・。　

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