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(Photo) アヴロ 671 ローター Mk.Ⅰ

by  コルディッツ
博物館実機写真

 オートジャイロはスペイン人ファン・デ・ラ・シエルバが開発し、100年前の1923年1月9日に、マドリッド郊外にあるクワトロ・ビエントス飛行場で初飛行に成功しました。この機体はシエルバが製作した4番目の物で、C-4と呼称されています。その後も実用に向けて開発が続き、翌1924年にはC-6が初飛行し、アヴロ社との関わりが見え、1933年初飛行のC-30のライセンス生産機はアヴロ671 ローターMk.Ⅰとなり、英空軍に採用されました。
※ 本稿は博物館の標示とWikipediaを参照しました、

 La Cierva C-6B (Replica) 2004年10月撮影
 航空宇宙博物館(クワトロ・ビエントス)にて

 本機の胴体部分はアヴロ504を利用しています。1926年シエルバは英国でシエルバ社を立ち上げ、オートジャイロ開発をアヴロ社と共同していくのは、アヴロ504利用が切っ掛けのようです。


 La Cierva C-19 EC-AIM 130-62 (Reproduction)

 C-19はタンデム複座のオートジャイロで、シエルバが設計し、ライセンス権を取得したアヴロ社が生産しました。初飛行は1929年で、アヴロ タイプ 620と呼ばれています。シエルバ設計の初期のオートジャイロの中で、最も成功し、30機生産され世界で広く運用されました。ドイツのフォッケウルフとフランスのリオレ・オリビエがライセンス権を取得した機体でもあります。


 La Cierva C-30 MZA XVU.1-01  (Reproduction)

 C-30もシエルバが設計し、1933年に初飛行に成功しました。
 ライセンス権を持つアヴロ社は78機、フォッケウルフ社は40機、リオレ・オリビエ社は25機を生産しました。アヴロ社の生産機はアヴロ タイプ 671と呼ばれています。第二次世界大戦の開始で、12機のC-30が英国空軍に配備されました。
 開発者のシエルバはスペイン内戦ではナショナリスト側を支援し、カナリス諸島からスペイン領モロッコを目指すフランコ将軍が搭乗した、DH-89ドラゴン・ラピートの入手に尽力しました。
そして1936年11月9日にロンドンのクロイドン空港から、アムステルダムに向かうKLMのDC-2に乗客として搭乗、クロイドン空港離陸直後の墜落事故に遭遇し、死亡します。


 Cierva C-30A  AP506 2016年4月撮影
 科学博物館(サウスケンジントン、ロンドン)にて 

 イギリス空軍はオートジャイロを、レーダーシステムの点検用に運用しました。

 C-30のローターマスト






   C-30の尾部(上の2枚)と正面を下から(下の1枚)。



   Avro Rota Ⅰ  HM580
 帝国戦争博物館ダックフォードにて     2009年7月撮影
 アヴロ社がライセンス生産した機体です。第二次世界大戦までは、オートジャイロも軍事に運用されましたが、ヘリコプターに取って代わられました。



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