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(Photo) フェアリー・ソードフィッシュ

by  コルディッツ
博物館実機写真

 ファエリー社は1930年に、英国海軍航空隊に売り込みを狙い、三座複葉雷撃機TSR-1の自主開発を始め、1933年に初飛行に成功します。しかしその後きりもみ実験に失敗します。英航空省の仕様書S.15/33に基づき、TSR-1の垂直安定板を拡大、胴体と尾部、着理装置等を改良したTSR-2は、1934年に初飛行に成功しました。
 巡洋戦艦レパルスのカタパルトからの射出テスト等を経て、1935年に英国海軍航空隊に採用され、ソードフィッシュ(メカジキ)と呼称されました。時代錯誤を思わせる機体ながら、1944年まで2,391機が生産されました(別説有)。第二次世界大戦では、1940年11月のタラント軍港夜襲や1941年5月の戦艦ビスマルク雷撃で戦功を挙げ、1942年2月には援護のない状況でソードフィッシュ6機がドイツ艦隊に攻撃を挑み、全機撃墜されるという英国人好みの武勲を挙げ、第二次世界大戦を現役機として全うしました。
※ 本稿は博物館の標示、「世界のクラシック機」(朝日新聞社)、
「航空機 第二次大戦1」(小学館)、Wikipediaを参照しました。

   Swosdfish Ⅱ  HS618
 艦隊航空博物館(ヨービル)にて      2004年1月撮影




  ソードフィッシュⅡは下翼を金属製に強化し、ロケット弾8発の搭載を可能にして、1943年から導入されました。展示のHS618はブラックバーン社で生産され、1943年から護衛空母ハンターに搭載されて、北大西洋の哨戒に従事しています。



  展示機はP4139の塗装になっています。2004年1月時点で、機体周囲にアラブ人と思われるフィギュアも置かれたジオラマで、何かの物語が語られている様子でした。




   艦隊航空博物館(ヨービル)にて      2016年4月撮影


 2016年に再訪すると、機体周囲の状況は一変されていました。
 たぶん地中海戦線を描いたであろう2004年のジオラマは、何を語ろうとしていたのか、気になっています。


   下翼胴体よりの切欠き?は、大胆だと感心しました。


 下翼に懸架する発煙弾と、たぶん照明弾。


 佐貫亦男教授は「ソードフィッシュはメカジキの意味で、使い慣れたものではあろうが、主翼胴体とも金属骨組みに羽布張りのなんとも古めかしい機体を、平気で1944年まで生産したイギリス人の神経の太さには驚かされる」と、英国人に呆れつつも、賛美されていて、愉しいです。「世界のクラシック機」より  


 Swosdfish Ⅲ  NF370
 戦争博物館ダックスフォードにて      2013年7月撮影


 ソードフィッシュⅢは胴体下部にレーダーを搭載、1943年から導入されています。




 NF370は1944年に生産され、英空軍で北海の哨戒に運用され、
ドイツ海軍の魚雷艇や小型潜水艦相手の索敵に従事しました。


 Swosdfish Ⅱ  NS122
 カナダ航空宇宙博物館(オタワ郊外)にて  2004年7月撮影
 カナダは1943年からソードフィッシュを、主に訓練用に運用していたようです。展示機の詳細は不明ですが、ブラックバーン社で生産され、船で運ばれました。主翼が折り畳状態という羨望の展示なのに、当時は撮影枚数の制約が大きく、この1枚だけとは無念残念です。  




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