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特集 アメリカ艦船 SHIP

 スプルーアンス DD-963(アリイ 1/700)

by 平針みなみ HIRABARI Minami



 スプルーアンスは、スプルーアンス級駆逐艦31隻の1番艦として1972年11月27日起工、1973年11月10日進水、1975年9月20日就役、2005年3月23日退役。他の同型艦2隻も同年8月と9月に退役し、31隻のすべてが2005年までに退役しています。

スプルーアンス級はアメリカ海軍の大型艦(全長:171.68m、全幅:16.76m)として初めてガスタービンエンジンを搭載、船型の拡大や遮浪甲板船型の採用など新機軸が多く、キッド級ミサイル駆逐艦、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦のベースともなったとのことです。

アリイのスプルーアンスは、艦橋の前にVLS(Mk.41 Vertical Launch System 垂直発射システム)が搭載された姿を再現しています。(VLS改修前にはその場所にアスロックが装備されていました。ピットロードやドラゴンの1/700キットではアスロック装備時をキット化しているようです。)

スプルーアンス級では、まず6艦がABL(Mk.143 Armored Box Launcher 装甲ボックスランチャー)を装備するよう改修されましたが、より柔軟性のあるMk.41 VLSの実用化によって24艦がVLS改修されています。ただ、1艦は事故による損傷が重なったりしたためか、改修されずに退役しています。



アリイのキットはフルハルで作れます。船体が吃水ラインで上下分割されていますので、洋上モデルとして組み立てることもできますが、ウォーターラインシリーズなどのような喫水線部分の板状パーツは用意されていません。フルハルではなくウォータラインモデルとして作りましたが、黒いラインを塗っただけで済ませました。

メインマストのヤードとステーの間が抜けていなくて三角形の板状にモールドされています。これを切除し真鍮線で置き換えました。

後部煙突の脇にある2本のロッドアンテナはかなり太くなっているので、テーパーの形状は諦めて先の尖った金属線(針)に置き換えました。

艦尾の艦名“SPRUANCE”の文字下にデコイ発射口があるのですが、キットでは再現されていません。艦名デカールがオーバースケールでスペース的にきびしかったので、今回は再現を省略しました。

全体的に組み立てやすいキットだと思いますが、1992年頃の発売キットのようで、マストなどのパーツは太めです。小物パーツもおおらかな出来。



ヘリコプターはイマイチなできなので、メインローターくらいはエッチングパーツに替えたかったのですが、手元に適当な物が見つからずキットそのまま。テイルローターはモールドされていません。



デカールは、全体的にオーバースケール。
艦尾の艦名“SPRUANCE”の文字の色が、デカールでは黒くなっていますが、進水前の建造中の写真では白字になっていました。そのまま貼っています。同型艦で艦名が黒字で書かれているものもありましたので、時期による違いがあるのかも知れません。

艦尾の旗竿の星条旗はデカールが用意されています。星条旗のデカールで旗竿を挟み込んで貼り合わせるのですが、旗の位置をちょっとだけずらそうとしたら破れてしまったので省略しています。

このキットには水中翼ミサイル艇のペガサス級と、アクセサリーパーツとしてLCAC(エア・クッション型揚陸艇)等が小さなランナー1枚分付いてきます。ペガサス級の武装であるハープーンのみ本体Aランナーから余分な2基分を持ってくることになります。



なお、アリイからはスプルーアンス級として次の5艦がキット化されていました。
DD-963 スプルーアンス
DD-972 オルデンドルフ
DD-976 メリル
DD-983 ジョン・ロジャース
DD-992 フレッチャー


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