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(Photo) M113 in 海外

by  コルディッツ
博物館実機写真
 「戦場のタクシー」と呼ばれるM113装甲兵員輸送車は、1960年にアメリカ陸軍に採用されました。車体はアルミ合金で製造されたため、軽量で空中投下が可能な上、沼等での浮航能力も備えてていました。そのためベトナム戦争では大量動員され、ベトナム戦争のシンボルでもありました。その後も湾岸戦争、イラク戦争でも活躍すると共に、西側諸国で広く運用されました。現在でも戦場の実体験をフィードバックし、改善を重ねながら、現役継続をしている長寿の車体です。今回は開発国のアメリカを離れて、海外で作られた派生型を紹介させて頂きます。
※ 本稿は博物館の説明やWikipediaを参照しました。

   M113A1
 戦争記念館(キャンベラ)にて       2016年4月撮影

 オーストラリアはベトナム戦争争期間中に、約61,000人の将兵を
派兵し、このうち521人が死亡、3,000人が負傷しました。
 首都キャンベラにある戦争記念館には、ベトナム戦争で陸軍が
M113を運用していた状況を再現する展示がありました。


 搭載歩兵は車外に出て、天板に座位でした。これは地雷による爆発を恐れて、車外に出ているためです。M113のアルミ合金製の装甲は、小火器から防護するには十分でしたが、ベトコンの使用するRPG-7や地雷には脆く、現場の対応策登場は必然でした。




   M113 MRV
 陸軍博物館(フリーマントル)にて     2019年12月撮影

   年末に拝観したので、博物館は休みで、柵の外から撮影です。
 M113にサラディン装甲車の砲塔を載せたM113 FSVと思い込んで
いましたが、砲塔の形がどうも異なります。色々調べてみたら、
スコーピオン偵察戦闘車の砲塔を搭載したMRVと分かりました。
 FSVは火力支援車輌、MRVは中型偵察車輌の意味です。

   M113 LRV
 陸軍博物館(フリーマントル)にて     2019年12月撮影

 2挺の機関銃を装備した小型砲塔を載せたタイプです。LRVは軽偵察車輌の意味ですが、兵員輸送にも運用されます、

   NM135(M113A1のノルウェー版)
 軍事博物館(オスロ)にて         2012年8月撮影


 NM135は、砲塔にラインメンタルMG3 7.62mm機関銃(750発)と
ラインメンタルMK20 RH202 20mm機関砲(505発)を装備。1980年代からノルウェー陸軍によって開発、53輌が導入されました。
 乗員は操縦士、射手、指揮官の3名で、外に8名の兵士が搭乗する事ができます。2000年に引退しています。


   M113A2 Ultra IFV
 シンガポール陸軍博物館にて        2018年3月撮影

 M113A1からA2標準にアップグレードし、40mm自動擲弾発射器と
12.7mm重機関銃を装備した砲塔を搭載します。シンガポール・
テクノロジーズ・キネティックス(SKT)社が改修しました。 


   展示の車輌は12.7mm重機関銃は外しているようです。


 SKT社はバイオニクス歩兵戦闘車も開発しています。アジア諸国の軍事産業の発展は、日本の地位の低下と相関しているようで、残念に感じています。


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