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F-4ファントム(バトルダメージ)
(リンドバーグ 1/72)

  by 加藤 寛之



 今回のキットは、ちょっと前に友人からいただいた。バトルダメージパーツが入っているのが特徴で、もちろん普通の形にも組める。このシリーズは他に、F-105サンダーチーフ、A-4スカイホーク、Mig-21フィッシュベットがあったように思う。ベトナム戦争当時の機種選択だ。
 このファントムのキットについては、航空情報別冊『プラモガイド』1973年春号にIMC製品のRF-4B/Cで紹介されている。それによると、胴体が6mm(4mmとも)短いレベルのキットを参考にしたとある。そのレベルのキットはファントムの1/72最初のキットだとか。レベルの型式はB型だった。RF-4B/Cにするにあたり、短い分を機首で伸ばしたらしい。さらに、今回作ったキットの箱にはG型とある。どの段階でも丁寧な改修をした形跡はないから、B型のRタイプでG型風みたいな外観で、相当なムリがある。でもそういう些細(?)なことを気にする人は、このキットを作ろうと思わないだろう。
バトルダメージパーツは、左エアインテーク、左主翼、左水平尾翼の3点ある。3つ使うと壊れすぎなので、今回は左主翼だけを使った。



  簡単なキットなので、パーツ分割で説明することはないが、それなりにやることはある。もちろんだが根本的修正などせず、プラモデルの形の範囲で手を加える。
主翼は、前縁も後縁もダレて曲がっていた。これは指でグイグイと逆に曲げて修正。このキットは主翼が薄すぎるので、ちょうどいい見栄えになるように胴体との接着角度を調整して組んでみた。
背中は、イイ感じのボリューム感に出来ているが、クタクタしている。これは思い切ってガリガリと削り、少しはパテも使って、面をスッキリと整形する。このクタクタはレベルのキットから継承した問題点だから、そんなことまで似せなくてもいいのにね。
エアインテーク付近は、オソマツでガタガタ。実機がどんな形かなんて考えずに、何とか整形する。よほどよくファントムを知っている人以外は、それで気付かない(と思う)。
尾翼周りは…まあ、いいや。
脚関係は、どれもモッサリとしていて…まあ、いいか。タイヤはこの時代のレベルが多用した、ドーナツ形のタイヤをホイールパーツで挟む方式。懐かし構造で、嬉しい。主脚は前傾させるべきだが、強度重視で直立させた(下面で見えないしね)。脚カバー類はどれも厚いうえに実感にも欠けるが、そのまま使った。
風防パーツは、この時代にしては雰囲気がいい。さすがレベルが原型だけある。胴体との合いは良いとはいえないが、隙間に水性ボンドを流し込んで埋めれば気にならない。 



  塗装も課題だらけ。細部の色指定は、まったくない。ちょっと写真を見て、テキトウに塗ればよいことにする。
全体塗装は2種から選択できるが、バトルダメージならば必然的にベトナム迷彩だろう。そのパターン図だが、なんとも不十分で“これ、どう塗るの?”とは思ったが、迷わずテキトウに塗ってOKにした。このキットが誕生した時代ならば、プラモの塗装図は左右どちらか半面で側面は左側だけ、が普通だった。それと似たようなことなので、別にどうってことはない。実機の迷彩塗装を思い出すと、塗装パターンは大体同じでも個々に差異があって、塗り重ねもテキトウだった。プラモデルの方がよほどきれいだった。そこで、そんなテキトウ感を表現してみた。
デカールは、指定の垂直尾翼用がバリバリに割れていたのであきらめ、もう1種の塗装のものを代わりに貼ってOKとした。また、使いたくないモノは貼らなかった。
そんなこんなで、無事に完成した。

  バトルダメージは理性に反するようで、納得できないものがあった。でも、それも考え方であろう。北爆のために越境したファントムに対し、北べトナム軍は邀撃に上がったか地対空ミサイルで迎え撃ち打撃を与えたのだろう。反撃達成である。一方のファントムは、大きく被弾しながらも基地に帰り着いた、つまり生還したのだ。双方にともに修羅場を潜り抜け、生き延びたのだ。それは悪いことではない。



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