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誌上個展

Sdkfz232 (タミヤ 1/35)

  by 老人とプラモ



 車両の説明文では、ドイツの偵察用8輪重装甲車Sdkfz231に中距離無線機Fu.12を搭載したものがSdkfz232、とあります。偵察小隊の指揮車両がSdkfz232と理解してよいと思います。
 Fu.12の長方形アンテナは、長辺で約4mあるのですが、前方1か所、後方2か所で車体に取り付いています。この前方1か所の支持方法がケッサクで、砲塔の旋回を妨げないよう、砲塔上に小さな櫓構造を設け旋回中心の延長線上に回転支持部を設定しています。
 また片側4輪はほぼ等間隔で配置され、全輪駆動、全輪独立懸架、全輪操舵だそうでドイツならではの高級メカの設計です。
 ボディーは避弾経始のため複雑な多角形構成で内側の空間は見た目より狭いはずです。小生は、この手の車両の写真を見ると乗員(4人)はどこから乗り込むのかを考えてしまいますが答えは砲塔のハッチ(上面、後面)とボディー前部上面、それにボディー側面の中央にある両開きの扉とおもわれます。ボディー中央には前後の車輪フェンダーの間に(乗り込むための?)小さなステップがあります。



 この車両のもう一つの特徴は何と、後ろ向きにも運転装置が付いていることです。隘路で強敵に出くわした場合など射撃しながら全速で逃走するためでしょうか?後退用の運転窓があります。



 また、タミヤのキットはSdkfz232の初期型で、開戦前の平時(1936から製造)の市街地の走行を考慮してか車体側面の方向指示器、視察窓上部の雨樋がおもしろいですね。砲塔前後のボディー側にあるのは砲塔基部への断片の飛び込み防止板です。と言うわけで、このキットでは大戦初期の装甲車両の特徴がよく表れていると思います。



 戦闘機の機銃掃射の際には相手の顔が見えた、との話を聞きますが、ソ連の戦闘機からこんなアングルが見えたかもしれません。




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