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特集 アメリカ空軍機、民間機

  ロッキード・マーチンF-16CJ[ブロック50]ファイティング・ファルコン【フル装備仕様】(タミヤ 1/72)

  by  Windy Wing 2013

今回は最新ステルス機をさしおいて世界各国でのその動向に注目が集まる<ロッキード・マーチンF-16CJ[ブロック50]ファイティング・ファルコン>をご紹介いたします。



  YF-16Aの初飛行は1974年2月、F-16Aの部隊配属が1979年1月ということですから、本機はもはや軍属45年の古参兵ということになります。機体の性格上、シドラ湾のような華々しい戦果はない一方で、ワールド・トレードセンターの「迎撃」には先陣を切って出動させられる、という汚れ役の宿命を背負った現用米軍戦闘機ですが、ただ、そのF-14が退役していくのを横目に、あの単発機大嫌いの米軍/州軍パイロットたちでさえなお愛用を続けている本機の信頼性を鑑みれば、今日、田舎の国々でこれを奪い合う状況もよく理解できます。



 タミヤ社は1/72ウォーバード・コレクションでは、自社オリジナル金型でF-14もF-15もF/A-18もF-22もキット化しないままに突然、No.86としてF-16CJをリリースしました。すなわち、イタレリ製品のOEMに目くらましされて、実は2023年の夏までは本キットが唯一のタミヤ・ネイティブの1/72現用米軍機であった、という事実にはあまり注目が集まっていません。そして、本キットもその後、【フル装備仕様】をNo.88として後出しする、という禁じ手以外には、発売から10年たった今も一切のバリエーション展開のないまま現在まで放置されております。



  塗装はキット指定の三沢基地第5航空軍所属(2010年)のもので、第13/14戦闘飛行隊の共用機体(司令官機)と思われます。このキット付属のデカールはそれほどフィルムが薄いわけでもないのにデカール・ソフターに極端に弱く、粘着力は不足ぎみで、しかもプリント・レンズのフォーカスの調整不良ではないかと疑われるほど、いつまでたってもそのオーバースケール傾向は改善されません。確かに、国産の他社に比べればましではありますが、世界のメーカーがデカールの品質に対してパーツ以上に気を配り始めているこの時代となっては、そろそろデカールを完全外部委託する、あるいは、そもそもデカールを付属させない、など、タミヤがその発想を転換させるべき時期に来ているのではないかと感じさせます。



 もしも我が国に「防衛装備は内製自国生産で」という大義名分のもとに軍事予算を政商にばらまくスキームさえなければ、今ごろは最低でも150機以上の本機とその派生型が、世界の同盟諸国と密なる情報を共有連携しつつ、北の島、そして西の海の堅牢なる防衛に供されていたに違いありません。その貴重な国家資財が結局は国産旅客機の甘い開発計画のためにドブに捨てられた現実を考えれば、その程度の国の次期戦闘機は世界最先端かつ大量生産が見込まれる米国製機体で充分である、と断じて異論を差し挟む余地はありますまい。



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