Home  > M8 SCOTT (RUBICON MODELS 1/56) > 特集 アメリカ大戦期のAFV>2023年12月号

特集 アメリカ大戦期のAFV

 M8 SCOTT (RUBICON MODELS 1/56)

by 五六式(TYPE-56)



 9月号10月号に続いてルビコンモデルのAFVを作りました。

<実機について>
M3軽戦車の改良型であるM5の車体に,75mm榴弾砲を装備したオープントップの砲塔を載せて,自走榴弾砲としたもの。1942年に正式採用され,イタリア戦線,西部戦線,対日戦に投入された。小型の車両ではあるが,装甲,機動力,兵装のバランスが優れており,戦場での評価は高かった。 

<キットについて>


M-5スチュアートとのコンバーチブルキットで両車の違いである前部装甲と砲塔の部品がセットされています。また,障害物を取り除くための鋤型の装備の部品もあり,ユーザーの好みに応じて様々な形態に仕上げることができます。
部品点数は51で,そのうち1/3ぐらいは,再現する車体によって不必要になるものです。また,一見大口径の砲身に見えるものは,実は,75mm榴弾砲のおおいでその中に砲身が入っています。本当の砲身の部品は無いのでジャンクからそれらしい砲身を用立ててやらねばなりません。
 相変わらず塗装指定は不親切。デカールにはたくさんのマーキングが収録されていますが,どこに何を貼るかがほとんど分かりません。おまけに,箱絵のM8を再現するマーキングが半分くらい入っていません。デカール自体の品質は大変よいものなので,なぜこのような構成にするのかさっぱり理解できません。

<製作>
部品の精度が高く,組み立ての過程で困るところはありませんでした。


M8として組む際に必要ない部品を除き,下塗りに支障の無い範囲で組み上げた状態です。この後、つや消し黒→ダークグリーンと色を重ねます。
車体上下とスカート,キャタピラの合わせがタイトで,組み込みに手間取りましたが,部品を折らない程度に押し広げてやれば,きちんと組むことができます。


 自作部品を追加した75mm榴弾砲。



榴弾砲を砲塔に組み込んだ後に問題点を発見してしまいました。75mm榴弾砲の取っ手の部分が抜けていないのです。幸い榴弾砲の砲身を上下させる軸とその受けの部分の寸法に余裕があったので軸を少し切り飛ばして取り出すことができました・・・汗・・・。写真を見ると,左の軸が少し短くなっているのが分かると思います。もちろん,この状態で砲塔に後はめすることも可能です。
抜けていないところは,小径ドリルでいくつか穴を開けた後,くりぬいて整形しました。実は,取っ手の後ろ半分は,本当は,棒状になっている(でないと砲弾を装填できない)のですが,今回は修正を見送りました。気になる方は,タミヤのキットを作ればよいだけのことです。また,砲尾に肉抜き穴が2つありますが,これがなんと,完成後,見える側にあいているではないですか・・・怒!・・・。ここも,整形が必須です。


① 全面つや消し黒でスプレーした後,ざっとダークグリーンをスプレー。


② 次に塗るオリーブドラブの発色をよくするためにタミヤのアクリルXF-4イエローグリーンでざっと筆塗り。


③ 溶剤で希釈したオリーブドラブでざっと筆塗り。1回では発色しないところがあるので完全に乾燥した後,1〜2回塗り重ねる。


④ 細かいところを塗り分けた後,デカールを貼り,次の日にトップコートをかけて最終仕上げをする。

付属のデカールには,収録されている車番が一致するものが無く,キットの箱絵の車体やメーカーのHPの作例の写真の車体を再現することができません。しかたがないので,いろいろ画像を検索し,デカールに収録されている車番に合うものを探しました。

<完成>


短い砲身が印象的です。機関銃が大きく感じるのは,逆に車体がコンパクトだからです。



主任務は,対戦車戦闘ではなく,丘越しに敵の陣地を砲撃する歩兵支援でした。砲身が二重構造になっているところは,是非再現しておきたいところ。   



足回りの古くさい感じが気に入っています。
車体前部のハッチの横のフック・・・汗・・・スケール相応ということで・・・。次回があったら善処します。   



 マーキングが真っ白なのは不自然ですが,手をつけると際限なくあちこちを汚していくことになる(足回りを泥で汚す・車体に埃を被せる・キャタビラにさびを浮かせる・塗装のはがれを再現する・・・)ので踏みとどまりました。  


  Home>M8 SCOTT (RUBICON MODELS 1/56) > 特集 アメリカ大戦期のAFV>2023年12月号
Vol.184  2023 December.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず/リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集4



TOTAL PAGE