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特集 アメリカ陸軍機、民間機

ボーイングB-17F "Lady Luck" (ハセガワ 1/72)

  by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ



 ご存じ第二次大戦での超有名機B-17であります。ハセガワのキットは1974年の初版リリースから今やほぼ50年経過してしまいました。その後、1/72でもドイツレベルやエアフィックスから新開発キットが出ていますが、細部表現はともかく、全体のイメージは今でもハセガワのキットの方が良いように感じています。加えて私は、B-17の中でも大戦後半のごついG型よりその前の端正なF型の方が好みなのであります。そこで、しばらく前の作品ですが、制作時を思い出しつつF型をご紹介させていただきます。



全体イメージ良好で素性の良いキットとはいうものの開発当時のキットの標準で、パネルラインは浮き出し表現。しかしなぜかエンジンカウリングのみスジボリモールドになっていたので、これに合わせるべく思い切ってパネルラインは全てスジボリ化。
機体内部はあっさりした内容ですが、かえって好きに加工できるというもの。B-17は機体内部も資料に事欠きません。機首周り、通信室、側方銃座周辺に追加工作しています。通信室背面の銃座窓も開けたかったので、通信室はまるごとスクラッチしました。
制作目標の機体はF型の後期型で、機首上面に天測ドームが追加されており、ここはスクラップになっていたエアフィックスのG型旧キットから同部分を移植しました。
また制作目標の機体では、機首ドームに装備される機銃は中心部に1丁のみであるため、キットの機首透明ドームパーツは使えません(機銃の差し込み穴が左右2箇所に開いているため)。そこでこの部分はスコードロンが出しているF型用機首ドームのバキュームパーツで置き換えました。



  塗装は当時の1943年当時の米陸空軍の標準で上側面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレー。使用カラーはMr.カラーをベースに少々アレンジし、スケール効果として白を20%から30%ほど入れています。全体塗装の上から軽く色褪せ表現と汚しを加えています。国籍標識はデカールを使いましたが、コードレター、部隊標識や機首のネームは塗装仕上げです。
米第8空軍91爆撃航空群第324爆撃中隊の「DF☆A」"Lady Luck"機として仕上げました。派手なノーズアートこそありませんが、赤く塗られた尾翼と主翼端から、何となく落ち着いた威厳を感じる塗装で、数あるB-17の中で私が最も好きな機体であります。「DF☆A」と言えば"Memphis Belle"が有名ですが、本機はBelle退役後に後継として配備された機体です。本機もBelleに劣らず幸運な機体で、35回の爆撃ミッションを生き延びており、この中には第8空軍が大損害を受けたシュバインフルト爆撃作戦も含まれています。その後、新しいG型の配備が進むに伴い本機は裏方任務に回りますが、終戦時も健在でした。

ハセガワさん、このキットのスジボリ化版、出してくださいな。




機首内部の追加工作。キットには内部フレームのモールドがありません。しかし実機でこの部分には遮音目的のキルティングパッドが張り付けられているので、内部フレームなどは隠れて見えないのであります。機首の側面窓は後から外付けできるように改修しました。


スクラッチした通信室。このあたりも内壁にはキルティングパッドが張られていたようです。


改造した機首周りの外観。機首下面の搭乗ハッチを開けて、B-17映画でお馴染みの「逆上がりの要領で乗り込み」シーンを再現してみました。この乗り込みフィギュアは、着席ポーズのフィギュアを小改造して意外に簡単にできました。実際には重い飛行服を着ていては逆上がりなどできず、脚立を立てて乗り込むのが普通だったようです。
機首ドームには12.7mm機銃を1丁装備。2本のフレームで支えています。


出撃直前のイメージでフィギュアを絡めてみました。
「機長は整備チーフと整備結果を確認中。その傍らで他のクルーは搭乗開始」というところです。


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