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特集 ドイツ艦船SHIP

 Z級駆逐艦 Z37~Z39

ピットロード 1/700 独逸Z級駆逐艦 Z37-39
タミヤ 1/700 ドイツ海軍駆逐艦Z級(Z37-39)
タミヤ 1/700 ドイツ海軍駆逐艦Z級(Z37-39)バルバラ改修
 
by 平針みなみ HIRABARI Minami


 Z級駆逐艦キットは、ピットロード・トランペッターやドラゴンから比較的新しい物が出ていますが入手困難で、ピットロード版のスカイウェーブシリーズのキットとタミヤのキット、これはスカイウェーブがルーツの古いものですが、作ってみました。どちらも2艦入りのキットです。

今回作ったZ級駆逐艦のキットは、グリーンマックスからスカイウェーブシリーズの1艦として1979年に出され、その後、グリーンマックスが事業の整理を図った際、スカイウェーブシリーズの販売権をホビーショップ・ピットロードに譲渡し、1985年に箱絵などそのままにピットロードから販売されました。さらにタミヤに移籍し1997年にウォーターラインシリーズのNo.905としてお目見えし、2006年には対空兵装やレーダーを強化したバルバラ改修後の姿を再現できるパーツの追加と従来パーツの一部修正を施してNo.908として出ています。

以下、ピットロードのキットは「スカイウェーブ」と表記します。また、タミヤのキットの内、バルバラ改修のキットは「タミヤ(バルバラ)」と表記し、それ以前のものは「タミヤ(旧)」と表記します。

これらのキットは1936A(Mob)型といわれ、Z31-Z34、Z37-Z39の7隻から成るタイプです。

スカイウェーブとタミヤ(旧)はバルバラ改修前の姿で、タミヤ(バルバラ)は改修後の姿で組み立てることにし、スカイウェーブはZ37、タミヤ(旧)はZ38、タミヤ(バルバラ)はZ39としました。







 Z37は1944年1月30日にZ32と衝突し、ひどく損傷したため、8月24日に除籍、ボルドー沖で自沈処分、1949年に解体。そのため1944年のバルバラ改修は施されていないそうです。タミヤキットの箱絵はZ37。
Z38とZ39は戦後イギリスに接収され、Z38はHMSノンサッチ(R40のちにD107)、Z39はアメリカに譲渡されDD-939となっています。ネット上でZ38あるいはZ39の写真としているものの中には、戦後イギリスあるいはアメリカで撮影されたものが多いようです。

3つのキットの比較(あくまで私が持っているキットを比べたもの)

○スカイウェーブとタミヤ(旧)の比較(タミヤ(旧)の変更点)
見た目はあまり変わらないですが、あちこち細かく修正されています。たとえば、
・バリが少なくなっている。
・前部マストのパーツ同士の接合部を削ってより密着するようになっている。
・後部マストが細くなっている。
・艦首の吃水板との合わせ目にある押し出しピンによる小さなはみ出しを解消。
なお、吃水板に他のウォーターラインシリーズからコンバートした錘を使う場合の押さえパーツは削除されています。また、ユンカースJu52とハインケルHe111が2機ずつ付いていたランナーも入っていません。

○タミヤ(旧)とタミヤ(バルバラ)の比較
・バルバラ改修の対空兵装やレーダーを盛り込んだBランナーが追加された。
・中央構造物の不要な平面部分を切除し、機銃架台がより大きく再設計。

キットの製作
 艦首の形状をクリッパー型に修正しました。タミヤの塗装図に図示されているような直線的な艦首形状を、タミヤやスカイウェーブの箱絵のそれのように削って再現しました。


  舷側がのっぺりしていて舷窓がないのでピンバイスで再現し、ストレーキの表現もないので0.5mm径のプラ棒を接着して再現。舷外電路は時間切れ。

ボートダビットは実物の状況が分からなかったので手を付けていません。

艦橋脇に架けてあるラフトは、Z38の写真を参考にZ37とZ38に取付けました。Z37には10隻、Z38は8隻としましたが、キットには8隻しか用意されていないので、取付けなかったZ39のパーツからZ37に流用しました。

クレーンの形状がそれらしくないのですが、そのまま使用しました。

武装関係も、キットそのままとしました。

旗竿は真鍮線に置き換えました。艦尾の旗竿は、キットの塗装図では垂直に立っていますが、キットのパーツを使うと後方に傾くようになっています。実物の写真にあたっても旗竿は写っていないことが多いので、今回は垂直に立てておきました。なお、Z37~39以外の艦では、後方に傾いている旗竿の写真がありました。

塗装
3隻とも上側面はグレー系2色。

船体等はクレオスC305、甲板等はタミヤエナメルXF-53ニュートラルグレイとXF-63 ジャーマングレイを半々としました。キットによっては、クレオスの軍艦色(1)と(2)の指定もありました。
煙突上部は時期による違いがありますが、Z37はグレーのまま、Z38はホワイト、Z39はブラックとしました。

タミヤ(バルバラ)組立説明書中の上面塗装図では、艦首上面先端を船体と同色のグレーにしていますが、写真ではこのような塗り分けを確認できませんでした。ただ、Z39の写真にもう少し後方の波除板まで、船体と同じグレーに塗ったように見えるものがありましたので、そのように塗ってみました。この塗り分けは一時的だったようで、他の写真では甲板等と同色になっていました。

写真はどちらも左からZ37、Z38、Z39。  






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