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(Photo) Hetzer

by  コルディッツ
博物館実機写真
 1943年11月、連合軍のベルリン空襲でアルケット社工場が被災し、ドイツ陸軍の有力な対戦車車輌であるⅢ号突撃砲が生産停止になりました。12月に陸軍兵器局は占領下チェコのBMM社に、Ⅲ号突撃砲の生産を打診します。しかし同社の設備では能力不足のため、同社は新規開発の軽駆逐戦車を提案します。1944年1月に1,000輌が発注されますが、試作車輌の完成は3月と、ドイツ軍前のめりの様子は、対戦車車輌の不足という切迫した状況を感じさせます。1944年7月から部隊配備が始まり、1945年のドイツ敗北までに約2,800輌が生産され、さらに戦後もチェコスロバキアでの生産は続き、チェコスロバキアとスイスで運用されました。
※ 本稿は博物館の標示とタミヤ模型の説明書を参照しました。 

   PanzerKampfwagen 38(t)
 ミュンスター戦車博物館にて        2012年11月撮影


  ヘッツアーのシャーシは38(t)戦車からの流用と紹介されていた
頃もありましたが、今は38(t)のシャーシを母体に、拡大及び発展
させたシャーシの採用と分かりました。側面からの写真を並べて
みますが、38(t)が母体であることは否定ができないようで。

   Jagdpanzer 38(t) Hetzer
 戦車博物館(アーセナル、スウェーデン)  2014年6月撮影




 戦後のスイス軍版(スイスにおける名称はG-13)を、ドイツ軍
塗装にしたり、一部改修して、ヘッツアーと展示していることが
あります。見分ける自信は皆無ですが、主砲にマズルーブレーキ
がなく、側面に予備転輪を載せない車輌を、ヘッツアーと判断し、
写真の選択をしました。どうか間違っていませんように!


 ヘッツアーは48口径7.5cm対戦車砲Pak39を搭載。


 エンジンはマイバッハHI 203 P 30 4ストローク直列6気筒液冷
ガソリンエンジンで、160hpを出しました。    



  Jagdpanzer 38(t) Hetzer
 軍事博物館(ワルシャワ)にて       2009年4月撮影  



  破壊されたヘッツアーを見ていて気になったのは、車内の狭さ
です。ワルシャワでヘッツアーと言えば、1944年9月のワルシャワ
蜂起で、ポーランド国内軍はヘッツアー1輌を捕獲し、フファット
(ポーランド語でChwat)と名付けて、バリケードとして運用しま
したが、ドイツ軍の猛攻で瓦礫に埋もれました。戦後に回収され
ますが、時の共産党政権に目障りなため、破壊廃棄されました。
 現在、陸軍博物館に破壊されたヘッツアーの展示があるのは、
蜂起の記念と旧共産党政権への批判なのかと思いました。



 Jagdpanzer 38(t) Hetzer
 戦車博物館(ボービントン)にて       2019年9月撮影  




  全高は2.17mとかなり低く、全長6.38m、全幅2.63m とかなり
小型です。待ち伏せ攻撃に有力な軽対戦車車輌でした。
 以下2枚は2010年7月にボービントンで撮影したものです。





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