Home  > VOLKSWAGEN TYPE2 DELIVERY VAN MOON EQIPPED (ハセガワ 1/24)> 特集 1/24 CARモデル>2024年4月号

特集 1/24 CARモデル

 VOLKSWAGEN TYPE2 DELIVERY VAN MOON EQIPPED (ハセガワ 1/24)

by 五六式(TYPE-56)



女性に人気が高く,・・・うちの娘が車を買うときにも「アレみたいな車がいい。」なんて言っていました。・・・お土産屋さんや雑貨屋さんにミニカーがよく置かれている,フォルクスワーゲン・タイプ2を作りました。

一時期,ハセガワのキットについているデカールがすぐ黄ばんでしまうということがありましたが,そんな中,LIMITED EDITIONとしてMOONのデカールが付いたこのキットが発売されました。「きっと,これについているデカールは,黄ばまないんじゃないかな。」と思って購入して13年あまり・・・。・・・デカールは,黄ばんでいませんでした。五六式は,「やったね!」と喜んだのでした。・・・そのときは・・・。

<実車について>
ビートルとして知られるフォルクスワーゲン・タイプ1をベースにして汎用キャブオーバー・ワンボックスカーとして開発されたのが,タイプ2で1950年から1967年まで生産された。

 エンジンやシャーシ,サスペンションなどをタイプ1から継承しているため,商用車でありながら乗用車のような乗り心地を実現,アンダーパワーながらユーザーには好評だったという。

 また,丸みを帯びた独特の外観も人気が高く,ロードムービーに主人公達の車として登場したり,1950年代から日本でも中古車が大量に輸入されたり,スバル・サンバーをよく似た外観に改造したりとカーマニアでない人たちにもよく知られている。


お土産屋さんや雑貨屋さんで入手したタイプ2。これらの店舗では,初代ミニと人気を二分しています。

<キットについて>

1990年にリリースされたタイプ1と,サスペンションの部品などを共有するキットで,初版は,1995年。デカール替えや部品の差し替えでマイクロバスやトラック,痛車など,多くのバリエーションがあります。

なお,レベルの同車のキットは,ハセガワ版と2000年代にレベル社による新金型でのものの二つのタイプがあるようです。

<製作>
このキットの製作で苦労するのは,以下の3点です。

① シャーシの裏側の押し出しピンの跡の処理

 ちらっと見ただけでうんざりするほどの押し出しピンの跡の数。大きいのが20個,小さいのは,16個あります。ところが,痛車仕様(たまごガールズ)のキットの同じ部品では,それほど押し出しピンの跡が飛び出ていません。・・・なんで?


赤丸が必ずとらなければならないもの。黄色は,目立つので削り取った方がよいもの。青は,組み立て後,見えにくいので削り取らなくてもよさそうなもの。白いのは,小さいし,削り取るのが楽なもの。


赤丸のところを削らないと前輪の取りつけ位置が変わってしまいます。

押し出しピンの跡は,削りやすいところだけにあるというわけではありません。上の写真で見えているものは,カッターで直接切り飛ばせますが,シャシーのリブの間に出ているものはへこんだところを削れるような工具が無いとどうにもなりません。そんなこんなで一つ削り二つ削りしていくうちにハイになってしまってとうとうほとんど削り終わってしまいました。費やした時間は,サーフェイサーがけを含めて丸3日・・・涙・・・。


押し出しピンの跡を削り取るとこのように。

② ステアリング機構の組み立て
 挟み込みの部品がぐらぐらしてなかなかうまく接着できません。一時的に部品C7を部品C5に固定できるような治具を考えないと・・・。

③ デカールの貼り付け
 デカールは,フィルムが薄く,のりが弱めです。台紙からスライドさせるときに力を入れすぎたり,位置の修正をしたりするときにあっけなく破れます。デカールをお湯につけてやると少し扱い易くなりましたが,それでも4ヶ所破れました。冒頭のアップの写真を見て分かるとおり,これだけ拡大してもデカールの縁が目立たないという点で確かに優れていると言えるものです。縁をギリギリまで切り取るとかえって縁がボロボロに割れていくので余白は切り取らない方が正解です。


車体右側面のマーキングは,ドアのヒンジにかかっていてデカールをフィットさせることが難しいです。カッターで切り込みを入れてマークソフターで馴染ませ,あいた隙間は後でリタッチしました。”MOON”のMが,スリットにかかっていますが,ここも,マークソフターとリタッチで対応しました。これらの凸部は,ドライヤーの温風でデカールを柔らかくしてやるともっと楽に対応できたかもしれません。しかし,この方法は,位置決めがシビアになるのとマーキングが多少歪むことが難点となります。 


 車体左側面の目玉(MOON EYES)のマーキングは,貼り付けて,乾燥させた後,トップコートをかけたのにいつの間にか欠けていました。幸い,タッチアップで何とかそれらしく見えるようにできましたが,仕上がりが粗い・・・涙・・・。


 ホイールキャップは,ホワイトメタル製。表面の酸化物を1200番の耐水サンドペーパーとコンパウンドで磨いて落とし,プライマーとクリアラッカーでコーティングしました。タイヤも粉をふいていたので古歯ブラシでこすってきれいにしてやりました。

完成写真を撮ろうとしたら,MOON EYESの右目が1/3ほど剥がれ落ちていて目の前が真っ暗になりました。
WEB MODELERSのことがなかったら,即,廃棄になっていたかもしれません。感謝です。

<完成>

 キットの指定は,白に僅かなオレンジを加えた色とエアクラフトグレーのツートーンですが,普通に入手できるスプレーの近似色で塗っています。白+オレンジでなくても,タミヤのレーシングホワイトやGSIのキャラクターフレッシュでも大して変わりはありません。グレーのところも,たくさんあるブルーグレー系のものでお好みのものを選べば良いと思います。いっそのこと全面黄色でも問題ないでしょう。


 MOON EYESのマーキングのため,VWのエンブレムは削り落とします。


 トップコートでは,デカールを保護しきれないので,これから手に持つときは,バンパーを持つことにしました。今回のアクシデントで痛車仕様のキットを作るのが怖くなってきました。痛車仕様のデカールは,ドアヒンジの突起を考慮しているようなのですが・・・。


 では,さらば〜♪


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