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(Photo) 3.7cm PaK 35/36
by コルディッツ
博物館実機写真
3.7cm PaK(Panzerabwehrkanone) 36は、1933年にラインメタル社が開発した対戦車砲で、1936年にドイツ陸軍に導入され、スペイン内戦や第二次世界大戦前半に活躍しました。
タミヤさんが1/35 MMシリーズで37mm対戦車砲としてリリースした頃は、他キットと比べ安価な事もあり、買いまくりました。
もう二度とあんな買い方はできないでしょうね。
1/48 MMシリーズでもKfz.69とセットで3.7cm対戦車砲として販売されていて、大戦前半のドイツ軍の勝利を象徴するアイテムの一つであることが窺われます。
砲には疎いのですが、ラインメタル3.7cm対戦車砲は参拝時によくお見かけする装備ですので、ご紹介させて頂きます。
なお3.7cmの表記は原産国のドイツでの呼称に準じたものです。
※ 本稿はタミヤ社の37mm対戦車砲組立説明図、博物館の標示、
Wikipedia1を参照しました。
3.7cm PaK 36
自動車&技術博物館(ジンスハイム)にて 2020年3月撮影
流石に原産国ドイツの博物館だけあって、撮影できただけでも3門もありました。ただ全体の展示物配列のテーマを読み取れず、 目眩がしました。これがドイツの博物館の傾向かもしれません。
ソラ航空博物館(スタバンゲル)にて 2007年7月撮影
ドイツは1940年にノルウェーを占領し、1945年の敗北まで占領を続けました。そのためノルウェーにはドイツ軍の兵器が残っています。3.7cm対戦車砲が活躍したのは北欧戦役までで、1940年春のフランス侵攻では、フランス軍やイギリス軍の戦車装甲を貫通できず、ドイツ軍兵士から「ドア・ノッカー」と蔑称で呼ばれようになります。
37cm Pak 36 = 37 PstK/37
パロラ戦車博物館(パロラ) 2018年7月撮影
フィンランドはドイツから1940年から1941年に軍事援助として200門供与されました。1941年から1944年の継続戦争で使用され、1976年にフィンランド防衛軍より退役しました。フィンランドに供給された3.7cm Pak 36は二種類あり、1937年に製造された砲は37 PstK/37、1940年の製造品は 37 PstK/40 と呼称されました。
写真中央正面向きは37 PstK/37で、その左側で反対向きの砲は37 PstK/40 です。
37cm Pak 36 = 三〇式37mm対戦車砲
中国人民革命軍事博物館(北京)にて 2020年4月撮影
中華民国も3.7cm Pak 36を輸入し、太原作戦(1937年10月)に対日戦に投入し、独立混成第1旅団の戦車に大損害を与えました。
本砲は民国30年(1941年)に中華民国で生産を始めた3.7cm Pak36 で、車輪が木製スポークなのが頷けます。国共内戦戦時に共産軍が国民党軍より鹵獲した物です。
戦車博物館(ミュンスター)にて 2012年11月撮影
砲口装着式のStielgranate 41 HEAT弾を装着しての展示。HEAT弾は3.7cm砲の対戦車能力を回復させましたが、有効射程距離は300m程度と短く、ドイツ軍敗北を象徴しているようです。
おまけ)
Bofors 37mm Anti-Tank Gun = wz.36 = 37 K/36P
パロラ戦車博物館(パロラ) 2018年7月撮影
スウェーデンのボーフォース社が1934年に設計を始め、1935年から生産された37mm対戦車砲です。フィンランドはスウェーデンから114門輸入し、355門をライセンス生産しました。これらは37PstK/36と呼称されますが、同じ砲で37 K/36Pと呼称される物があります。これはポーランドがwz.36の名称でライセンス生産したボーフォース37mm対戦車砲で、ポーランド敗北後に入手しました。
Wikipediaによるとドイツは鹵獲したポーランド製のボーフォース37mm対戦車砲42門をフィンランドに提供したとしますが、博物館の標示では、ポーランド敗北後の1940年にハンガリーから購入した20門のうちの1門とありました。
Bofors 37mm Anti-Tank Gun
アーセナル戦車博物館にて 2014年6月撮影
ボーフォース37mm対戦車砲とラインメタル3.7cm対戦車砲の性能について、幾つかのデーターを見ましたが、最大射程などはボーフォースの方が優れているようですが、大局的には大差は無いと思えます。展示のスウェーデン陸軍砲手クルーは3名でした。
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