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F-94C スターファイア(初期形態) (EMHAR 1/72)

  by 加藤 寛之



 EMHARのスターファイアは、C型後期形態をWebモデラーズ誌2021年8月号に投稿させていただいていて、実機やキットの様子はそちらを御覧いただければ、ほぼ同じである…では手を抜きすぎるので実機を超簡単に説明すると、P-80戦闘機を複座練習機にしたのがT-33。これをとりあえずエンジン強化して機首にレーダーと機銃を載せたのがF-94。このF-94を本格改造したのが今回のC型で、C型も後期形態になると主翼前縁にロケット弾ポッドを装備して魔改造レベルに達している。
 今回のC型キットの組図には「1993」とあった。新しい製品とはいいがたい。キットの雰囲気は、マッチボックス的な機種選択や造形感があって、なんとなくお粗末なところはそれ以上である。コックピットや脚周り、エアブレーキ周りなど、細かなパーツは、どれも肉厚だったり造形が単純だったりで、精度にも面白みにも欠ける。加えて、接着位置もあいまい。気にしていたら「全部、ヤメ」ってなりそうなので、どんどんと整形を進めて組んでいくことが大切な製品。




   金型のオソマツさが原因のプラモデル的な不十分さを整える作業が必要である。
胴体や翼類は表面が凹線部分で周りがダルく歪んでいる。600番のサンドペーパーで全面的に表面を削ることで、まあ何とかする。表面細工はほぼないので、気楽に削ればよい。深くてクタクタした凹線も、これでだいぶマシになる。
 主翼の後縁は、ものすごく厚い。内側接着面をカリガリ削って薄くする。でも、ほどほどにしないとフレットとの整合に難が生じるので、ほどほどに。あとは後縁を削り上げてごまかす。
 垂直尾翼と前に伸びるフィンはガッカリするような造形。実機に似せようとすると大工事になるので、実機の形にこだわらずにそれっぽく削る。スターファイアのこの部分の形を知っている人はそんなにいないと信じて、模型的にまあイイか、で削る。ラダーは、後縁の下端を胴体から切り離して内側へ曲げ、内側から厚みを削る。水平尾翼は、表面を整えれば、まあOK。
 主翼端の燃料タンクは、やや前下がりにすることでイメージを改善できる。取り付け穴をちょっと削ればいい。後端のフィンは、以前に後期タイプを作ったときはプラ板に置き換えたのだが、今回は下面側から削りあげて薄く見せた。手抜きである。まあイイや。
 胴体と主翼、水平尾翼は、まあ、接着できる。造形がアイマイでガタだらけなので、多少はパテのお世話にもなりながら、テキトウに整形する。
 脚カバーやエアブレーキなどの小物は、自分で考えて接着する。



 塗装は2種から選べるのだが、デカールに印刷の版ズレがあって、単純なモノで作ることになった。
銀色は筆塗り。エアブラシの平滑感と競うようなことはしない。全面を銀色でテキトウに塗り、ごく薄くに希釈したシャインシルバーで、表面を撫でるように、かつ意図的に筆跡を感じるように上塗り。パネルラインが濃厚なので、スミ入れはごく一部のみ。
主翼と胴体にある赤線は、片側をマスキングテープで押さえて筆塗り。もちろんガタガタするが、気にしない。風防枠は、黒で地色を塗り、その上に銀を筆塗り。
デカールはキットのものを貼った。多少の劣化があったが、それは長年作らずにいた自分の責任。結果論だが赤線を塗っておいたのは正解で、赤のデカールは硬くて曲がらなかった。
最後に軽く光沢スプレーをかけて完成とした。

 思うところは多々あるが、充分にF-94Cに見える。気になるところはキット購入のときから分かっていたし、箱を開けて数日で完成したのだから、これで充分である。完成すれば、それでよいのである。



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