Home  > NORTH AMERICAN F-107A ULTRA SABRE (MONOCHROME 1/72)>特集 マイナー・レア・珍>2024年8月号

特集 マイナー・レア・珍

NORTH AMERICAN F-107A ULTRA SABRE (MONOCHROME 1/72)

by 五六式(TYPE-56)



 センチュリーシリーズで実機が完成したものの中で唯一正式採用されなかったF-107を作りました。←マイナーでレア。

 スーパーセイバーを発展させてマッハ2級の核攻撃もできる戦闘爆撃機を作ろうとしたらジエットインテークが背中についてしまったという珍機です。

 調べてみると,ロールアウトは,五六式の誕生日と同じ年で同じ月だったようで,ウルトラ(アルトラ)セイバーという愛称は,非公式のものだったそうです。 

<実機について>


 アメリカ空軍の新型超音速戦闘爆撃機としてリパブリックF-105と同時期に開発された機体で,ノースアメリカンの前作F-100の発展型。F-100を基礎とするが,大推力エンジンへの換装やエリアルールの採用によってF-105を上回る高速性能(最大速度M2.3)を得た。しかし,F-100を基礎としたために,爆弾倉のスペースを確保できず,大型爆弾を半埋め込み式に搭載することとなった。 



ジェットインテークを機体背面に配置しているが,これは,半埋め込み式の爆弾の投下に機体の衝撃波が悪影響をおよぼさないようにするためであった。なお,本機の飛行性能において,このジェットインテークの配置による悪影響はなかったと言われている(しかし,後方視界が良好とは言えず,脱出時の安全性にも問題があった)。
 こうした工夫を重ねて,YF-107は,核攻撃が可能な戦闘爆撃機としてまとめ上げられたが,その完成度は競合するYF-105に及ばず,量産機として正式採用されることはなかった。なお,完成したYF-1073機のうち2機は,NASAで高速飛行研究機として使用された。  

<キットについて>


 初版は,2001年で,同じキットが2002年にトランペッターからも発売(2017年に再発売)されています。F-107のキットは少なく,1/114スケールのオーロラのキット以来,モノクロームのキットが出るまでずっとキットが無い状態が続いていました。(←バキュームフォームキットやレジンキットはちょこちょこ出ていたようです。あと,1960年代にニットーのキットがあったような・・・。)というわけで,現時点でなんとか入手可能な唯一のF-107のインジェクションキットがこれです。

 21世紀に入って発売されたキットだけに,パネルラインは筋彫りになっていますし,部品の合いもおおむね良好です。デカールは,製造された3機全てのマーキングをカバーしています。 
 

<製作>
 この世に存在したF-107は,3機のみで,これら全てが銀地に同じ赤い模様のマーキングです。というわけで,普通に作れば,誰が作っても同じ姿になってしまいます。そこで,仮想実用機として仕上げてみるのはどうかな・・・と。幸い,以前,F-100をオリーブグリーンのデンマーク空軍機として作ったときに使わなかったデカールがあるので,これを利用すればよいではないか,よいではないか・・・あ~れ~,ご無体な・・・。
 大きく分けて,銀塗装とべトナム迷彩がありますが,サンダーチーフさえベトナム戦では,たくさん撃墜されているのでこの子にヴェトナム参戦は無理・・・ということで,本国配備の銀塗装で行くことにしました。 


   実機は,原型機なのでピトー管が3本もありますが,実用機なら,1本で十分。ご先祖様のF-86に習って右主翼の1本を残しました。キットのプラパーツは,ただの棒だったので金属パイプで作り直しました。後は,20mm砲口を開口しただけ・・・。

 部品の表面に目立つヒケがたくさんあって閉口させられます。また,一部,表面が荒れているところがあります。また,エアブレーキを閉じた状態で組むと,非常に目立つ段差ができます。まず,これらを処理しないと先に進めません。胴体左右の合わせには隙間ができますが,接着面をやすりスティックで均してやればかなり症状が改善します。また,機首のレドーム内に釣り用のおもりを仕込みました。


 ジェットインテークに続く胴体内は,がらんどうなのでつや消し黒で塗るなり仕切りを入れるなり詰め物を入れるなりしておきます。

 主翼も尾翼も,それぞれ貼り合わせになっていて後縁がとても分厚くなっています。そこで,後縁付近のパネルラインを深く彫り込んだ後,やすりスティックでがしがし削ってシャープに整形しました。あまりやり過ぎると後縁がかけてしまうのでほどほどにしておきました。なお,実機の尾翼は,A-5ビジランティと同じく,全て全遊動式なのでポリキャップを仕込むなり差し込みピンを太くするなりして差し込むと可動式にすることもできますが,固定するかどうかも含めて個人の裁量で選択するとよいと思います。


 組み立て説明図では,胴体に,主翼,胴体腹部の順に接着するように見て取れますが,この通りにすると主翼と主脚収納部の間に隙間ができてしまいます。実際の組み立て手順でおすすめなのは以下の通りです。

① 主翼,尾翼,動翼を組んで後縁をシャープに整形

② 主翼後縁の部分と胴体,胴体腹部の合いが悪いので写真で赤く塗っている部分をやすりスティックで薄くして隙間がなくなるように調整する。

③ プラ板を瞬間接着剤で貼って,胴体と胴体腹部の接続のためのガイドとする。胴体腹部の後端にもプラ板を貼り,胴体との隙間が塞がるよう削り合わせておく。

④ 胴体腹部の部品に脚庫の前方扉を隙間ができないよう削り合わせた上で接着し,主脚収納部を黒く塗っておく。

⑤ 主翼を胴体に合わせて(まだ接着はしない),位置決めをした後,主翼に胴体腹部の部品をがっちり接着する。脚庫の仕切りと主翼の間に隙間ができるので溶剤系接着剤を流し込んだら指で挟んで固着するまで押さえ込んでおく(部分的に溶剤系と瞬間接着剤を併用)。←暇つぶしにビデオでお気に入りの番組を2本ぐらい見ていたら固着すると思います。

⑥ ⑤の作業で黒く塗ったところの塗料が流れ落ちてしまうことがあるのでタッチアップする。←後で銀塗装の下地として全体を黒く塗るのでいい加減でよい。

⑦ 1日おいてから主翼と胴体腹部を組んだものと胴体を接着する。←このとき,それぞれの接続部の隙間は,ほぼなくなっているはずです。 


 背面のジェットインテークの組み付け。ここは,筆もスプレーも届かないところがあるので黒く塗っておきます。

本体に仮組みしてみるとかなり段差が生じます。写真で白く見えるところは,調整のために軽く削ってやったところです。少しずつ様子を見ながらラインのつながりが良くなるようにします。しかし,この作業だけでは段差が完全に消えることは無いのでジェットインテークを本体に接着した後,カッターやサンドペーパーでラインをつなげました。

<完成>


サンダーチーフと同じJ75ターボジェットエンジンを搭載しています。 


エクストラデカールのF-100用を使って実用機として仕上げてみました。あくまでF-100用のデカールなので一部は,切り貼りやタッチアップで寸法を合わせています。 


 このジェットインテークでは,大迎角で上昇するときに空気が吸い込めるのか心配です。

 主脚のタイヤは,主脚を本体に接着して完全に固着してから向きを調節しつつ接着することをおすすめします。先にタイヤを主脚に接着してしまうとタイヤを接地させるのに苦労してしまいます。


垂直尾翼も水平尾翼もA-5ビジランティと同じく全遊動式になっています。



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