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特集 イタリア

 イタリア中戦車 M13/40(タミヤ 1/35、イタレリ 1/35)

by 平針みなみ HIRABARI Minami

 タミヤのM13/40の旧キットは、もうだいぶ前にセモベンテとともに作ったことがあったのですが、今回、在庫キットの棚の見回したところ、片隅に手つかずの旧キットが見つかりました。この機会に作ってしまおうと取り出してきたのですが、さらにイタレリの作りかけのM13/40も出てきたので、それではと、タミヤの新キットも購入してあわせて作ることにしました。

 タミヤのミリタリーミニチュアシリーズから「イタリア戦車M13/40(カーロ・アルマート)」(No.34)が出たのが1974年3月ということなので50年も前のことです。その後、2008年に「イタリア中戦車M13/40 カーロ・アルマート」(No.296)として新規パーツを多数追加したキットが出ました。以下では、前者を旧キット、後者を新キットと記します。

 タミヤからM13/40のキットが出たことで、カーロ・アルマートという言葉がよく知られるようになったと思います。このカーロ・アルマートという言葉はイタリア語の「戦車」に相当する言葉なので、M13/40に限ったものではありません。以前タミヤからも出ていたイタレリ製の軽戦車L6/40も重戦車P40もカーロ・アルマートです。なお、発音は「カーロ」というより「カルロ」と聞こえます。イタリア戦車に関する記事・文章で、カルロ・アルマートとしているものも多いです。
なお、M13/40の「M」は「中」戦車、「13」は「13トン級」、「40」は「1940年」に制式化、を表しているようです。

 タミヤの旧キットをオーストラリア軍に鹵獲されカンガルーのマークを大書された車輌。新キットは北アフリカ戦線のイエローサンドの車輌。イタレリのキットは、フェンダーの先端が伸びていたり、車体後部のルーバーが左右方向になっていたりすることなどから、イタリア本国やヨーロッパ戦線におけるグレイグリーンのM14/41(M13/40の改良型)をイメージした車輌としました。


写真の左から、タミヤ旧、タミヤ新、イタレリ


タミヤの新旧キットの比較
 写真の左が新キット、右が旧キット。
旧キットでは車体後部のルーバーの向きがM13/40の改良型であるM14/41のように左右方向になっていましたが、新キットではM13/40本来の前後方向に改められています。車体やフェンダーなど各部にモールドが追加あるいは改良されています。


  新キットで追加されたプラパーツは写真のX、Y、Zの3種類のランナー。Xが2枚、他は1枚。
旧キットの車体上下、A、B、Cの各ランナーにこれらの新パーツが加わり、ベルト式の履帯が除かれています。その他、メタルの砲身、エッチングパーツ、ワイヤーロープ用の糸、ドライブスプロケット用のポリキャップも入っています。


  Xランナーには、履帯、スプロケットホイール、ジェリカン等が含まれています。
Yランナーは、マフラー、ジャッキ、履帯取り付け具、ラジエターカバー、工具類とそのラック等。旧キットに対し、新規追加あるいは形状を改めたパーツが用意されています。
Zランナーは、新たなフィギュア2体、座った状態の「戦車部隊 少尉」と立位の「戦車部隊 士官」、とフィギュアの装備品の双眼鏡、ホルダーに入った拳銃、木箱のパーツ。この木箱、「少尉」が戦車に腰掛けないときに座るため用意されたものか。
Xランナーに含まれるパーツには1つあるいは1組しか使わないものがあるので、その場合は余剰パーツを旧キットに流用できます。また、エッチングパーツに含まれるものの中には、プラパーツでも用意されているものがあり、どちらか好みで選択ができます。余ったパーツはやはり旧キットに流用できます。

タミヤ旧キット
 北アフリカ戦線でのオーストラリアの鹵獲車輌として、カンガルーのデカールを貼ることとします。
車輌は初期のタイプのようです。M13/40は生産時期によってセリエ1、セリエ2、セリエ3、あるいは初期型、中期型、後期型とでもいうべき3タイプに分かれ、それぞれの中でも生産バッチによるものか、違いがあるようです。
車体後部のルーバーの向きを車体前後方向に変更するため、キットのルーバーを削り、細いプラ棒を車体前後方向に向けて並べてみました。
フェンダー、予備転輪はそのままキットの指定通りで。
実車ではジャッキをフェンダーの前よりに設置しているようですが、キットにはパーツが用意されていないので搭載していません。
戦闘室右側のアンテナ基部等は削り取りました。
車体後部の牽引フックは、フックの形状になっていないので削ってフックらしくしました。これは新キットも同様です。
細部パーツについては、新キットの余剰パーツがあれば流用しました。
なお、このタイプでは砲塔のハッチ前の四角い部分は削り落とした方がよかったのかもしれません。

塗色をどうするか。キットではイエローサンドの指定ですが、海外のフォーラムで「オーストラリア軍の鹵獲車輌のグリーンはどんな色か」という問いが出ていたので調べてみました。
タミヤの説明書にも、1941年3月からイエローサンドが基本色(それ以前はグレイグリーン)となったと書かれていますが、大量にイタリア戦車が鹵獲された時期はそれ以前だったようなので、基本はグレイグリーン塗装なのだと思います。カンガルーマークの写っている写真をみても、暗い地色の上に白くくっきりと写っているケースが多かったです。そこで、グレイグリーンとしてクレオスのC52 フィールドグレー(2)を吹き付けました。このグレイグリーンの近似色としてFS34159がよくあげられており、海外の塗料メーカーではこのFS34159を「SAC爆撃機グリーン」として出しているところもあれば、「フィールドグレー」としているメーカーもあります。ということなのでクレオスのC52も近似色のうちではないかと思ったしだいです。ただオーストラリアの鹵獲車輌の写真にはイエローサンドのようにも見えるもの、とくに車体下部、足回り、もあるので、現地でサンド系の色、あるいは砂泥を迷彩となるように塗ったのかもしれません。(当初、ドゥンケルグラウで送られたドイツアフリカ軍団の戦車などとも同様の状況にあったのではないでしょうか。)そういったイメージで、グレイグリーンの上からサンド系の塗装を施し、ところどころ剥げたようにしてみました。
デカールは新キットのものを使っています。


タミヤ新キット
 北アフリカ戦線のイエローサンド塗装の車輌としました。
中期の生産車輌をイメージして、中央部から後方のフェンダーをカットしました。キットのフェンダーの裏側にはカットする位置が筋状に薄くなっています。車体後部とフェンダーが一体化しているので切り離しは少し手間がかかります。(ここはイタレリのキットだとファンダーが車体とは別パーツになっているので楽なのですが。)実車のショートフェンダーの後端を真横から見ると斜めにカットされているので、キットのフェンダー後端のフチも斜めに見えるよう加工しています。
車体中央両サイドのステップには、フェンダーのフチより下まで板があるので、プラ板を貼っておきました。
車体後部の予備転輪は右側のみで、左側には新規パーツのジャッキを設置するように改められています。
アンテナは真鍮線で追加しています。
イエローサンドの車輌の写真を見ると、かなり明るく写っている印象があります。そこでMr.カラーのカラーモジュレーションセット・ダークイエローのDYハイライト2を吹き付けてベースカラーとしました。
砲塔天面の航空識別用の白い円はキットの塗装図のものより前に移しています。実車の写真で白い円が見えるケースでは、このあたりにあるものが多かったです。もう少し大きな円になっているものもありました。


  砲塔のハッチを開いて、機銃を取り付けて見ました。


  イタレリのキット
このキットはタミヤの旧キット発売の前年に出たもので、当時はイタレリではなくイタラエレイの時代でした。自国の戦車だけあってかなり細かいところにも気を配っているように見受けられました。たとえばスプロケットホイールの歯数が18、その内側にあるマイナスネジの数が16と正確に再現されています。また、各部のリベットがゴツゴツと目立っていて実感があります。
フェンダーの先端をタミヤのキットと比べてみると、少し先がのびてスプロケットホイールを覆うようになっています。また、車体後部のルーバーの向きがタミヤの旧キット同様に車体の左右方向になっています。これらのことからM13/40というよりはM14/41に近いようです。


  キットでは予備転輪を車体後部の左右に配置し、ジャッキは戦闘室前の左フェンダーに載せるようになっていますが、今回の設定は初期型車輌ではないので、予備転輪は右側のみとし、左の予備転輪の場所にはジャッキを置きました。
なお、キットには予備履帯が3枚連結と5枚連結したものが2組入っていましたが、組立説明書にはとくに記載がなかったので使っていません。


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