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P-40Eウォーホーク (レベル 1/32)

  by 加藤 寛之

 伝説のレベル1/32名キットは、Bf109、スピットファイア、そしてこのP-40ウォーホークの3種。現役で模型店の棚にあった時の私は子どもで、高額で買えなかった。それが充分すぎる大人になってから、3つとも、頼まれたり、いただいたりで無料で手に入って作ることができた。皆様、どうもありがとうございます。



  さて、いただいたキットP-40ウォーホークの箱を開ける・・・が、箱を開けるとガッカリするのだ。主翼は捩れていて前縁も後縁もクネクネしている。胴体も、大丈夫だろうかと疑う雰囲気。精密に感じたエンジンやコックピットもダルくてグダグダにしか見えない。可動の脚のために脚庫はだだの穴。憧れの表面仕上げは、やり過ぎに見える。あっちこっちで、これはキツイなぁ・・・と思ってしまう。
作る前の結論(?)としては、可動はやめて、ピシッと、ちゃんと作る、これだ。

まずパーツを眺め、エンジンは入れないことに決める。プロペラ位置に影響するエンジンの軸位置やグラツキを回避できるので、だいぶ楽になるはず。排気管と機首下部の吸気口内のパーツは、壁や棒を立てれば何とか接着できる。
工作は胴体から。機首側面を外してエンジンを見る構造なので、このパネルは胴体に接着する。パネルの捩れはパーツを曲げて改善し、ガタは適度な位置を探して接着。周囲に深い溝が残るので、これはパテを詰めて溶剤で拭き取り、別パーツだった痕跡を残して整形する。胴体全体も捩れていたから、これは部分接着を繰り返して矯正しながら接着する。
コックピットは今日の水準ならば単純。大事なことは、コックピットの組み物と胴体左右を、隙間をつくらないように幅を絞ってガッチリと固定すること。これで妥当な主翼上反角に組めるようになる。もうひとつ分かったことは、主脚庫とコックピットの間の壁がなく、穴で繋がっていること。私はこの穴を胴体と主翼を組んでから気付いて、脚庫からプラ板で塞いだ。
主翼も捩れていた。上面パーツの強度を上げれば下面はそれに沿うので、上面パーツのゆがみを抑えた状態で内面に厚いプラ板を各2本貼って固めた。主翼下面パーツには主脚の可動用パーツだけを組み込んでおき、主脚の取り付けや可動部分の固定は塗装後に行った。エルロンが可動なので、この部分がフカフカしてしまい、外翼の厚さが決まらない。エルロンを固定するときに隙間へプラ板や熱で伸ばしたランナーを詰め込んで厚みを固め、その後にパテを詰めて溶剤で拭き取って整えた。ここは可動だったんだよ、と分かるように整えた。この主翼だが、発売当初から翼端の形、つまり上面は平らで下面があがってくる形になっていないことが指摘されていた。組む前は加工も考えたが、結局、このままでイイや、にした。私が気にしなければ、世界中の誰も気にしないから。
水平尾翼とエレベーター、垂直安定板とラダーも似たような工作をし、可動だったことが分かるように固定した。
風防周りはガタガタ。頑張ってなんとかまとめました、で話をオシマイにしたい。



  塗装はキットデカールに加え、別売りデカールまでいただいていた。でも私は塗装が嫌いなので、インチキでもいいから簡単にしたい。結果は、写真で御覧のとおり。
上面のオリーブドラブは下地のプラ色が透ける程度の薄塗りにして、面白みをだした。下面はニューラルグレー。上下面ともに、塗ったあとで2000番のサンドペーパーで軽く擦ってある。この作業で、下面の灰色では凸部分のプラ色がよく見えるようになるので効果的。このキットは表面モールドが濃厚なので、この擦り作業による強調だけで充分に思えたから、いわゆるスミ入れはほとんど行っていない。それに、このキットが発売されたころは、そもそもスミ入れなんてしていない。時代感も大切で、今風に作って比較する意味はない。



 完成。ちゃんとした形にするだけでも大変だった。これを可動でまとめた半世紀前のモデラーは凄い。キットとしての出来は、実機の1/32縮尺と考えず、レベルの1/32 P-40ウォーホークという1/1の立体造形物とみれば今でも最高水準の存在感だと思う。現代のキットとは、求めたモノが違うのだ。 
 これでレベルの名キット3つを、全部作ったことになる。子どものときからのボ~っとした願いが、ひとつ満たされた。ゆったりとした安心感だ。 


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