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桃太郎の特攻機 (スウォード 1/72)

  by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ



 今回は、今年(2024年)上半期での私の思い入れ作品をご紹介します。キットはスウォードの四式戦「疾風」で、クラブの例会にてデカール欠品のものを譲り受けたのでありました。

  スウォードのキットはハセガワの「疾風」をベースにスジボリ化したような内容ですが、前部胴体の高さ等、微妙に修正を加えている感じがします。またエンジンやギアベイには精密なレジンパーツが用意されています。組立はこの手の簡易射出キットに必要な注意点(イモ付け部分の補強等)を押さえていけばストレスは少なく進みました。



  今回の「思い入れ」ポイントは部隊マーキングであり、第197神鷲(しんしゅう)隊の6番機として仕上げました。
この6機編成の特攻隊は桃太郎の顔を垂直尾翼に描いていました。その1~5番機の桃太郎は睨みつけるような表情で描かれていましたが、6番機のみは何故か笑顔の桃太郎。本機の搭乗員がこの図柄を描いている写真が残っていますが、当時の報道写真向けの意気揚々とした雰囲気ではなく、何か考え込みながら描いている様子が伺えます。それを見ると、この笑顔の桃太郎には特攻隊として強いられた運命に対する彼の葛藤が目一杯詰まっているように感じられ、その心境を思うと想像が尽きません。それ故、なんとかこの桃太郎を描きたかったというわけであります。



  ベースとなる機体塗装は、上側面が緑褐色、下面は明灰緑色という大戦末期の日本陸軍機の標準的なもの。緑褐色にはMr.カラーの12番「オリーブドラブ」で代用しています。また四式戦特有のプロペラ色にはMr.カラーの319番「薄松葉色」で代用しています。どの色にもスケール効果や退色表現として白を30%~50%加えています。また実機の写真では塗装のスレハゲが見られません。おそらく特攻隊用として新品の機体があてがわれ、かつ当時の燃料欠乏状況の下でほとんど飛んでいないのかも。このように考えて機体の汚しは極力控えめにしました。

  尾翼の笑顔の桃太郎は、白地でベースを塗っておいた上にSTABILO ALLの色鉛筆(金属やプラにも描ける優れもの)を尖らせたもので髷飾りや鉢巻き、表情など細部の「あたり」をとり、さらにその上から超極細面相筆でカラーを載せるという方法でなんとか描けました。
機体各所の注意描きを含めここまでの塗装とマーキングは全て筆塗りで、クリアコート後に研ぎ出しをかけて仕上げています。

  最後に、第197神鷲隊は本土決戦に向けて三重県の北伊勢飛行場で待機を続け、出撃することなく終戦を迎えたことが救いであります。


第197神鷲隊所属機の尾翼マーキング図柄。
海外のサイトでは「振武隊」として紹介されています。しかし知人によれば「振武隊」は第6航空軍隷下部隊の名称であり、本部隊は第1航空軍隷下なので「神鷲隊」が正しいとのこと。


尾翼マーキングの白地を整えた状態。これだけで予定している塗装を言い当てた人がいた!
いやはや、すごい人がいるものだ!


両舷の桃太郎を描き終えた時に記念撮影。アップだとやはり粗が目立ちますね。ご容赦ください!


出撃時を想定した出で立ち。右主翼下に250kg爆弾、左主翼下には増槽を吊下。
キットには爆弾が含まれていないので、手持ちストックから調達。





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