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特集 ヨーロッパ戦車

フランス軽戦車 H39(タミヤ 1/35)

by 平針みなみ HIRABARI Minami

 タミヤからフランス軽戦車H39が今年の5月24日に発売されました。フランス軽戦車R35が2020年3月に出てから5年が経過し、ようやく出たかという思いですが、さっそく作ってみました。

1930年代半ばにフランス軍の騎兵部隊用の軽戦車としてオチキスH35が採用され、より速くという要望などから、さらに強力なエンジンを搭載した改良型のH39が1939年に登場しました。

 タミヤのH39のキットは、先のR35よりもさらに作りやすい設計になっていました。
部分連結式の履帯、生産時期によって異なる誘導輪やエンジンデッキ、外部視察装置が用意され、ドイツ軍仕様の砲塔キューポラやアンテナ基部などもパーツ化されて、バリエーションを楽しめるようになっています。さらにR35に入っていなくて残念に思ったテールスキッドのパーツが含まれていることもうれしいことです。

 次のようなH39の3点を作ってみました。左から(1)、(2)、(3)とし、以下で説明します。




(1)独仏戦直前のH39(短砲身タイプ)

 ネットでH39の写真を探して見てみても、迷彩塗装がどうなっているのかよくわかりませんでした。そこで、博物館の保存車輛を参考にしようと、ソミュールの戦車博物館のH39の写真を見てみました。ターレットナンバー「43」、車輛番号「40743」(本誌2019年12月号のPhoto特集「世界を旅する オチキスH39 軽戦車」に写真があります。)で、グリーンとブラウンの迷彩が施されています。この車輛は、ドイツ軍が鹵獲し改修したもののようです。
そこで、この車両の戦時中の写真を探したところ、独仏戦直前(1940年5月)のものと思われる写真が見つかりました。
当然ながら博物館のものとは違って、キューポラは半球状、砲は短砲身で、ターレットナンバーの字体も少し違います。この写真では迷彩塗装がソミュールのものと同様なものなのか、はっきりしませんが、車体前面はかなり汚れているように見えます。また、ソミュールのものに書かれている「D’ARTAGNAN」(ダルタニャン)という愛称は、写真のアングルからでは有無が確認できません。そこで、chars-francais.netのサイトで調べてみたのですが、愛称は記載されていませんでした。

 今回はこの「43」ではなく、同じ中隊の「36」(40764)にしてみました。短砲身砲を装備したタイプで、俗に「H38」と呼ばれることもあるものです。写真では車輛番号が末尾のものしかわからなかったので、上記サイトで調べたところ、「40764」であることがわかりました。

テールスキッドは付いていません。
丸めたワイヤーロープを車体後部の予備転輪のところに吊るしています。坪糸(化繊)とジャンクボックスにあったタミヤ1/48三号突撃砲B型のタグアイを使用して作りました。
短砲身はタミヤのR35のものを使いました。プトーAPX-R砲塔は、R35とH35・H39と共通なので、砲塔ごと交換しました。タミヤのキットでは、それぞれのキットで砲塔のパーツナンバーが異なるものになっていました。下の写真の左がR35、右がH39。


砲塔の「36」という数字は、グンゼ・エレールのソミュアS35のデカールに入っていた「3」と「6」を利用。車輛番号はタミヤキットのデカールを切り貼りして再現しました。
オリーブグリーンとブラウンの迷彩にしていますが、これはソミュールの戦車博物館の「43」を参考にしています。最初に施した車体前面の汚れは、写真を撮影してみたらあまり目立たなかったので、きつめにしてみました。 


上の写真の後方の車輛は、以前作ったグンゼ・エレールのH35で、車体後部の形状がH39とは異なっています。エレールのキットは、H35とH39のコンバーチブルで、車体後部上面パーツがH35用のものとH39用が用意されています。砲身も短砲身のSA18と長砲身のSA38がセットされていて、長砲身のH35や短砲身のH39も作れるようになっています。この砲塔関係のパーツは1枚のランナーにまとめられていて、ルノーR35のキットにも同じものが入っています。

(2)独仏戦中か休戦後のH39(長砲身タイプ)
 この車輛がドイツ兵によって調べられているような写真がありました。1940年5月~6月ころに撮影されたものでしょうか。


こちらはキットのフランス軍仕様そのままとして作りました。せっかくテールスキッドが用意されているので、それが付いている車輛を探しました。
 ターレットナンバー「58」、車輛番号「40991」、塗装はネット上で見つけた側面塗装図を参考に、オリーブグリーンとブラウンとライトグレーの3色迷彩にしています。

追加で車体後部の丸めた荷物をエレールのH35/H39のキットから持ってきていますが、写真ではドイツ兵が車体後部の前に立っていたりするのでテールスキッドなどわかりません。

ターレットの数字がちょっと変わった形になっています。とくに「8」はあまり見かけない形です。ネットでみたところ、ブロンコの1/35 H39のキットに同じ部隊の「57」(40994)のデカールが付いているようです。ブロンコの「5」は「58」のものとだいたい同じ形で、「7」の方はごく一般的な形になっていました。
「58」は適当な幅の白い棒状のデカールを切り貼りし、車輛番号の数字とその前のフランス国旗はグンゼ・エレールのソミュアS35のデカールを使いました。 

(3)自由フランス軍のH39

1944年8月のパリ解放のときの行進時に撮影されたと思われる写真があります。ドイツ軍がパリで使っていたH39を奪回したものだろうと思います。

タミヤのキットをドイツ軍仕様として作り、自由フランス軍のマーク等を施しました。フランスの三色旗とロレーヌ十字、車体前面に白いスター&リングのマークがあります。塗装は、たぶんジャーマングレーで、ドイツの国籍マーク等を塗り消したような跡がみえます。

キットのドイツ仕様のものをベースとしていますが、ドイツ仕様として左フェンダー中央に付けるアンテナ基部は使わずに、グンゼ・エレールのメタルパーツを右フェンダー後部に取り付けて、それにアンテナとして真鍮線を接着しています。
写真によると主砲の脇の同軸機銃は取り外されていたので、そのパーツは取り付けていません。

自由フランス軍のロレーヌ十字は、白い棒状のデカールを使い、十字の各先端を丸くホワイトで塗っています。実際は、トランプの「クラブ」の上の部分のように3つの円になっているのですが、そこまではやりませんでした。フランス国旗のデカールは適当なものが見つからず、たまたま手近なところにあったHi-decal line のMiG-21 bisのデカールの中のクロアチア軍機の垂直尾翼に貼る横長のクロアチアの国章マークが、よさそうなサイズだったので、適当にカットして貼ってみました。また、前面の白いスター&リングは、やはりタミヤの1/48のトラックキットのもの。実際はリングの幅がもう少し細いのですが、加工は困難なのでそのままとしました。

下の写真の後方に写っているのは、グンゼ・エレールのH39ドイツ仕様で、長砲身装備のもの。
今回作ったものは、ジャーマングレーが明るくなってしまいましたが、1940年から1944年まで使われて退色したということで。 



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