Home  > <日本航空史>  深山・連山>2025年8月号 

誌上個展

<日本航空史> 深山・連山

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム


深山

 2機を別に扱えば2本の記事になるのだが、深山は材料が少なくて独立しては書けない。そこで、連山と合体させた。

 深山は本Web誌の2016年7月号「日本航空史」で、原型となったDC-4Eを採りあげている。末尾の「E」は後の別設計機と区別するためのものだから、当時なら「DC-4」でいい。日本はそのころ、DC-2やDC-3を使用していたから、「次のDC-4も欲しいんです」と言い出しても不自然ではなかった。アメリカが実機と図面を売ってくれた理由は判然としないが、ダグラスだって、DC-2からB-18を、DC-3からB-23を造ったのだから、だれが考えたって戦時ともなれば日本がDC-4から大型爆撃機を開発するだろうと分かる。原書房『航空技術の全貌(上)』(昭和51年)には「米国に較べて水準の格段に低い当時の我が国の基礎工業力を以てしては、本試作機は単に形態の模倣に過ぎず、本当の機能の発揮は殆ど望めず」とある。米国は「どうせムリ」と分かっていたのかも知れない。

DC-4E


  連山の飛ぶ様子はフィルムに収められて現存する。しかも、文字によっても飛行の様子が多くのこされている。中島飛行機で海軍部のテストパイロットであった馬場一夫氏は初飛行から数回までの様子を『航空情報』昭和26年12月第3集に、試験中から戦後の横須賀への空輸までは海軍飛行実験部所属の大平吉郎氏が『航空ファン』1968年6月号に、戦後の接収から横須賀への空輸、アメリカでのテスト飛行はロバート・C・ミケシュ氏が『航空ファン』1982年9月号に、それぞれ記している。大平氏はこれとは別に、『世界の傑作機 深山/連山』(1977年10月、旧版No.90)に自身が携わった飛行実験の様子とアメリカの技術報告紹介の2編を執筆している。模型的な観点まとめれば、試験飛行中は油漏れがひどく「ナセルは例によって油にまみれ」て黒く汚れたようだ。米軍の接収機は寄せ集めて飛行可能とした「一部合成」機だった。「黄色に塗られた」状態で横須賀へ飛行。黒い保護コートをして米国へ移送、コートをニューヨークで剥がされてから「日の丸は消されてアメリカの星マークが塗られた」そうだ。航空情報別冊『知られざる軍用機開発(上巻)』(平成11年)の「連山」の解説にもテストの様子が触れられている。なお記事本文は『航空情報』通巻5、6、9、10号掲載記事の再録で、プラモデル資料としても有用。
 米国に渡った連山は、飛ぶのがやっとの状態だったようだ。そのころアメリカはジェット爆撃機の開発へと進んでいたから、敗戦国の連山をテストする意味はなかったろう。

DC-4E


   『航空ファン』1956年5月号の投書欄に、連山が出てくる以下のような内容が掲載してある。連山はちょっとだけで、むしろ他機の方が興味深い。読みやすくして紹介する。「なお(垂直尾翼の番号は)、紫電改、天雷、連山、橘花は「ヨ-(番号)」であったと思う。終戦時、試作機色(橙色)は景雲のみで、他は全部緑色であった。…垂直尾翼番号は黄色であり、末尾番号が機首カウリング、脚カバー、一式陸攻は前方銃座横に描かれてあった。…彩雲、流星等はエンジンカウリングが黒塗りで、プロペラは茶色が一般である。プロペラの端を黄色く、裏側を黒く塗ったものもあった。」 

連山


  連山のプラモデルは、ハセガワが1/72航空機シリーズを始めたころに立派なキットを作ってくれている。『モデルアート』1968年2月号に新発売の広告があり、お値段は850円。「安い!」と思ってはいけない。『モデルアート』は180円だった。当時のキットだからパネルラインのモールドは凸線で、全体に凸リベットが打たれているし、窓枠に小さな課題があったりするが、飛行機とはこういうモノだと分かって造られているため、その姿は堂々たるものである。私はこれまでに2回作ったが、出来上がって時間が経過すると右(だったかな?)にちょっと傾いた。翼幅が大きいので、僅かな傾きでも目立ってしまう。他の方の完成品を見たときも同じ方向に同じくらい傾いていたから、脚パーツのどこかに原因があるのだろう。これから作る方は、主脚を補強し、取付け位置の確認もお願いしたい。プラモデルに使いやすい資料は、『世界の傑作機 深山/連山』(№90 1977年10月)と、別冊航空情報『知られざる軍用機開発(上巻)』(平成11年)だろうか。


  Home  ><日本航空史>  深山・連山>2025年8月号 

Amazon 各カテゴリー 検索へ
Amazonプラモデル 飛行機の検索へ
Amazonプラモデル ミリタリーの検索へ
Amazonプラモデル 車の検索へ
Amazonプラモデル 船の検索へ
Amazonプラモデル ガンダムの検索へ
Amazonプラモデル 工具・塗料・材料の検索へ
Amazon 本の検索へ
Amazon プラモデル 連山 

Vol.204 2025 August.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作記事


8月号 TOTAL PAGE view