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誌上個展

<日本航空史> P-2V7 ネプチューン

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム



 原型の開発からいうと、ネプチューン(自衛隊愛称:おおわし)はいわゆる大戦機に該当するのだろうが、それよりも戦後の対潜哨戒機としてみるべきなのだろう。自衛隊に供与されたときのP2V-7は「その時期にバリバルの第1線新型機だったものは、本機ぐらいのものである」と、航空情報別冊『日本航空機ガイド Vol.2自衛隊機』(昭和48年)にある。この時代にしばしばみられた高性能のレシプロエンジンとジェットエンジンの両装備だから、整備はタイヘンだったろう。二重に動くような感じの水平尾翼とエレベーターも興味深い。



 私のネプチューンに対する記憶は入間基地の航空祭で見た程度で、あとはほぼプラモデルの記憶である。私の中では実機よりも、極地で飛行する箱絵だったレベル社のプラモデルと、ハセガワのキット発売インパクトの方が、はるかに大きな位置を占めている。オオタキのキットも入間基地の航空祭の出店で見たような気もするが、よくわからない。ハセガワのキット発売時、当時の私にとてもじゃないが買える価格でなかったにもかかわらず「なんで旧いネプチューンを作って、P2-Jを選択しないのか」くらいに思ったものである。今から思えば、輸出で稼ぎたいハセガワならばP2-Jはありえず、絶対にネプチューンだ。



  さて、最近でもときどき店頭でみるハセガワのキットだが、その発売時の評価が『航空ファン』1972年11月号の新製品紹介と、『航空情報』1972年11月号の新キット紹介にあった。
『航空ファン』は「デッサン、表面仕上げともに文句なしに超一流のできばえであり、まさに世界のトップレベルをいく作品である」と絶賛している。
『航空情報』も「全体的なデッサンや、縮尺はほぼ正確で、特に複雑な胴体の形状や、エンジンナセルの表現にも考証がよくゆきとどいている」「まず上の部にランクされるキット」と高い評価をつけている。
ここにある評価の視点をみると、当時のプラモデルの評価視点(つまりモデラーの視点)がデッサン重視だったこと、表現力だったことが分かる。たとえば『航空ファン』は「独特のバリカム式水平尾翼の表現もいいし」「エンジンのダウン・スラストも適当」「プロペラブレードは1枚ずつばらばらになっていて、好みのピッチに固定できる」などと、飛行機としてのありかたのプラモデル的再現で評している。
プラモデルに求めるモノ、特に飛行機プラモの評価視点は時代によって次々と変わってきた。古くは可動全盛時代があった。ハセガワのネプチューン新発売のころはデッサンと繊細な凸線モールドを競っていてコックピットなどは簡易に作られていた。その後には、代表的な型式だけでなくバリエーション展開やメタルパーツ入りに走った時期もある。今は細部の再現とか凹リベット再現がメーカーのウリだろう。ハセガワのネプチューンは、その生まれた時代で「文句なしに超一流」だった。
 掲載写真は、資料として収集したもの。



蛇足:自衛隊機の愛称
「おおわし」が自衛隊P-2V7の愛称だ。『航空ファン』1964年3月号によれば、愛称は防衛省が自衛隊の現有機にペットネームを付けて一般に親しまれるようにしたいというので、1963年10月末までに一般から募集し、2カ月におよぶ選考の結果、1964年の1月8日になってようやく発表の段階に至ったのだという。その際、哨戒機と飛行艇は海にちなんだものという基準が設けられている。この愛称が決まるまでは、アメリカ軍の呼称そのままか、メーカーの付けた呼称で呼ばれていたそうだ。だが、この自衛隊愛称は定着しなかった。F-86Fの旭光、F-104Jの栄光あたりは、今でも僅かに知られているだろうが、T-6/SNJの「まつかぜ」になると分からないだろう。そして「おおわし」後継機のP2-Jに愛称はない。
蛇足の蛇足だが、UF-XS飛行艇やX1G研究機、KAL1、KAL2のような汎用性の低いものには愛称を付けなかったようだ。 


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