(Photo) Blenheim & Bolingbroke
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| by コルディッツ |
| 博物館実機写真 |
ハセガワ-フロッグでリリースされていた1/72のブリストル・ブレニムは、Mk.Ⅰ(以降Ⅰ型と表記します)で、段差なし機首が特徴的でした。映画「ダンケルク」にⅠ型のフライトがありますが、この機体はカナダで生産されたボーリングブロークの段差付き機首を改造した物でした。
ブレニムの原型ブリストル142が1935年に初飛行し、最大速度494km/hを記録して、当時の戦闘機(ただし複葉)よりも80km/h 速い事で高評価されます。
そのため軍事用途の開発が始まり、ブリストル社から142M、空軍省からブレニムと呼称された軽爆撃機は、試作機なしで150機が発注され、1936年に初飛行に成功します。
なおブレニムの機名の由来は、スペイン継承戦争中の1704年に、英軍のドイツのバイエルン州ブレンハイムで戦勝したことからのようです。対独戦が視野に入っていたのでしょうか。
英軍最高司令官はチャーチル首相のご先祖様のマールバラ公で、ブレンハイムの戦功に対してアン女王から与えられた土地に、女王の資金で建設されたのがブレナム宮殿になります。
※本稿は博物館の標示、「顔の曲がったブレニム」(佐貫亦男著 光人社NF文庫「続々・飛べヒコーキ」収録)、Wikipediaを参照しました。
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ブレニムⅠに改造中のボーリングブロークⅣ型T 10201
帝国戦争博物館ダックスフォードにて 2008年7月撮影
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映画「ダンケルク」で使用されたカナダ産のボーリングブローク。以前から映画等の スタント飛行を行っていました。2003年にダックスフォードで不時着して、その修復時にブレニムⅠ型の段差なし機首に換え、作業は2014年に完了しました。Ⅰ型の特色である機首はショートノーズとも呼ばれます。
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ブレニムⅠ型のショートノーズ 2018年7月撮影
フィンランド空軍博物館(ティッカコスキ)にて
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ショートノーズのⅠ型は1,552機生産され、長距離偵察型のⅡ型が1機、機首を伸ばしたⅣ型と同型のボーリングブロークは3,307機が生産されました。(生産機数は資料により差があります。以上は英版Wikipediaを参照)
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ブリストル・ブレニムⅣ型 BL-200
フィンランド空軍博物館(ティッカコスキ)にて
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以下は2025年7月撮影。驚いた事に完全な形で残存するブレニムは、フィンランド空軍で運用されていたBL-200の1機のみでした。
本誌2015年6月号で英空軍博物館ロンドン展示機を、ブレニムⅣ型と紹介しましたが、実はボーリングブロークⅣ型でした。この場を借りて謝罪と訂正をさせて頂きます。なお現在、同機は王立空軍博物館ミッドランド(コスフォード)に異動しています。
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フィンランドはブレニムのライセンス生産も行い、97機のブレニムを運用しました。
Ⅰ型の輸入が18機、ライセンス生産が45機。
Ⅳ型の輸入は24機、ライセンス生産は10機になります。スウェーデン製爆弾を使用のため爆弾庫が大型化され、またエンジンのエアスクープはBf109Gの物を流用しています。
フィンランドは1958年まで運用しました。
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ブリストル・ファエチャイルド・ボーリングブロークⅣ型T 9892
カナダ航空宇宙博物館(オタワ)にて
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ブレニムⅣ型をカナダのファエチャイルド社がライセンス生産した機体をボーリングブローク(Bolingbroke)と呼びます。英国の地名に由来していますが、元々はブレニムⅣ型に使用される事になっていたそうです。
ボーリングブロークⅠ型はブレニムⅣ型と同一で18機生産されました。カナダ軍での用途は2,350kmの航続力を活かした哨戒機でした。
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航空宇宙博物館の収蔵庫にあり、ツアーに参加しないと拝観出来ない状況です、ツアーガイドはボーリングブロークに触れず、脇を通過しただけなのが残念でした。
Ⅳ型はマーキュリーⅩⅤエンジンに換装の哨戒機。写真のT字追加の機体は多目的練習機としてⅩⅤエンジン搭載機が350機、マーキュリーⅩⅩエンジン搭載機が107機の457機が生産です。ボーリングブロークの総生産数は626機なので、約7割が練習機となったものです。
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ブリストル・ファエチャイルド・ボーリングブロークⅣ型T 10001
王室空軍博物館ロンドン(ヘンドン)にて
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2019年9月撮影。ブレニムⅣ型と勘違いをしていました。ボーリングブロークⅣ型Tでしたので、謹んでお詫び申し上げます。
ブレニムⅣ型L8756号機の塗装にしています。
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AEC ルートマスター 737DYE
ロンドン交通博物館(コヴェントガーデン)にて
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佐貫亦男教授はブレニムⅣ型の機首廻りを
「操縦席風防に段をつけ、その前の風防を凹ませて、まるで顔がひん曲がったように醜い形態とした。これがブレニムⅣ型のトレードマークとなったが、決して自慢にならない。
なにかロンドンの二階建てバスの運転席の横の空所を連想させ」とコメントしています。
その対象の二階建てバス、ルートマスターです。1954年にプロトタイプが製造され、1959年に生産開始、1968年までに2,760台がロンドン市内で運行していました。佐貫教授の世代が、ロンドンで見飽きた?バスです。
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ブリストル・ファエチャイルド・ボーリングブロークⅣ型T 9895
軍事博物館(ブリュセル)にて 2009年12月撮影
再掲写真ですが、上面を撮影することは稀なので掲載させて頂きます。ブレニムⅣ型 L9416号機の塗装です、
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