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誌上個展

<日本航空史> 日の丸をつけたFw190

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 戦時中に1機だけ輸入したFw190A-5は、昭和18年12月頃に所沢飛行場へ飛来したときに刈谷正意氏が撮影した写真でよく知られている。
輸入機の写真は『航空ファン』1957年4月号に6枚あり、戦時中にテストパイロットだった荒蒔義次氏の「Fw-190テストの思い出」も収録されている。『丸』昭和49年6月号には7枚収録されている。両誌には重複があるので計9カットで、同一機でこの枚数はとても多い。『世界の傑作機フォッケウルフFw190』№78(平成11年9月)にある1枚は上記2誌と重複するが、格段に鮮明。
塗装はドイツ本国と同じように見えるが、主翼上面の塗り分けパターンは相違するように見える。色は荒蒔義次氏が実機を見たときの記憶を『航空ファン』1957年4月号で言及している。記事は対談形式で「荒蒔 グリーンの濃いやつでしたねメッサーより少し明るい色でした。」「記者 ジープより青いですか。」「そうそう、ジープより少し青いかも知れませんね。」「記者 褐色の部分はなかったのですか。」「荒蒔 他のはぜんぜんありませんでしたね。なんというか、下面は一面ウス灰色で、少しきれいですよ」とある。日の丸は主翼上面と胴体が白フチ付き、主翼下面の日の丸にはフチがない。右主翼上面のフラップ部分には、左から右に「ノルナ」、右主翼のフィレットには後ろから前へ向けて「ノルナ」の文字がある。左側はぼやけていて判然としない。尾翼周りは写されていない。
『航空ファン』1954年10月号には、終戦直後に川崎航空機明石工場内で撮影されたらしいバラバラ状態での発動機部分の写真が掲載してある。これに「キ-100設計の参考にするため分解研究」と注記があるが、五式戦の設計完了が昭和19年12月末、後述の日独米5機のダッシュ競争は昭和20年早春(『航空情報』1954年1月号)らしいから、注記のようにFw190をバラバラにして五式戦を設計したわけではないだろう。
さて日独米機によるダッシュ競争だが、これは陸軍審査部のメンバーが戦時中に行ったものだ。
押尾一彦・野原茂『日本軍鹵獲機秘録』(光人社、2002年)には、参加機を、三式戦・四式戦・Fw190・P-51・P-40の5機としている。レース展開は、Fw190が飛び出し、3分後にP-51が追い抜き5分後には断然引き離す。Fw190と四式戦が同着、次ぎが三式戦、ドン尻がP-40となっている。上記と同じ5機とするのが、『航空情報』1954年1月号の馬場一夫氏の文章。これによれば、展開は、断然トップに出たのがFw190。間もなくP-51に抜かれ四式戦も差を詰める。トップはP-51、次いで四式戦・Fw190が良い勝負、ちょっと遅れて三式戦、P-40の順。7~8分の飛行で、高度は5000mとある。



  この競争を行った当事者である黒江保彦氏の談話が『航空ファン読本』1961年夏の号(7月25日発行)に掲載されている。そこでは参加機を、Me109、四式戦、Fw190、P-51、P-40の5機としている。展開は、黒江保彦氏乗機のFw190がものすごいスタートダッシュで飛び出したが、グングンとP-51が差をつめトップを奪う。四式戦も次第に追いついて抜く。Me109は、スタート直後は並んでいたが結局ビリから2位。P-40は問題にならず最下位となった。高度は、4~5000mだった。黒江氏は『航空ファン読本』発売からまもない『航空ファン』1962年2月号にあらためて記事を寄せている。参加機は先の談話と同じ5機。展開は、最初のうちはMe109・Fw190が断然速く、1分くらいしてからP-51がすごい勢いで迫り3分後にFw190を追い抜く。ついで四式戦がジリジリと距離を詰めてきたとなっている。高度は6000mだった。
 細部が異なるこの競争の様子だが、本当の展開はどうだったのか、機種の相違は記憶違いなのか別の勝負なのか、よくわからない。
 日本が輸入したFw190はテストした1機だけなのに、「フレッド(Fred)」という米軍コードネームがある。とはいえこの名前は輸入機のそれでなく、南西太平洋方面で使用との誤認にもとづく(『航空ファン』1954年8月号・1964年10月号)命名のようだ。



  今回は日の丸をつけたFw190をプラモデルで作ってみた。使ったキットは買い置きの1/72タミヤFw190A-3で、実機のA-5とは違う。
当該機の主翼の機銃は、内側装備銃には銃身を囲むようにちょっと膨らんだパッチのようなものがあり、外側装備銃には基部上側だけにちょっと被せるような整形がある。今回のプラモデルでは工作を省略。色は、「グリーンの濃いやつ」「ジープより少し青いかも」といが、これも深く考察したわけではない。私は機首下面を下面色と同色としたが、別の色(黄色?)のようにも見える。ハセガワは以前に、1/72の限定品でBf109とセットで日の丸機を販売したときに機首下面とラダーを黄色とした。主翼上面のコックピットに乗り込む足下は剥離が多く、翼面の塗り分けはドイツのものと違うようだ。再塗装してあるのかも知れず、そうなると「グリーンの濃いやつ」も不思議ではない。左翼の「フムナ」の向きもテキトウに判断した。
まあ、「日の丸を画いたFw190はこんな雰囲気」くらい、の軽い気持ちで見ていただきたい。


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