
Messerschmitt Me262A-2a 製作記(Hasegawa 1/72)
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| by Kiyoshi Iwama(ひやめし会) |

Me262A-1a “JV44 Galland” (1/72) Hasegawa Box Art より
Me262は、第二次大戦中にドイツが世界で初めて実用化されたジェット戦闘機である。当時ドイツではハインケル社とメッサーシュミット社が鎬を削ってジェット機の開発に取り組んでいました。ハインケル社は自社で遠心式のジェットエンジンまで開発し、先に進空させたHe178が世界初のジェット機の座を勝ち取ります。しかしハインケルは何故か不遇で、空軍が採用したのはメッサーシュミットのMe262の方でした。メッサーシュミットは、動力のジェットエンジンにBMW社の開発した軸流式ターボジェットエンジンを採用しました。しかしこのエンジンが不調で、試作3号機からはユンカース社のユモ004に置き換え、漸く1942年8月に初飛行に成功します。He178の初飛行から3年後のことでした。しかしその後量産に至るまでは苦難の連続となります。やはり技術的にはエンジンが足を引っ張ったのは否めませんが、もう一つ大きな壁になったのがヒットラーでした。アドルフ・ガランド中将(当時少将)が自ら操縦桿を握り、試作4号機で飛行してその異次元性に衝撃を受けます。そして早期量産を請け負ったのですが、ヒットラーがそれを許さなかったのです。一国の為政者の判断が国の存亡をも左右するのは今も昔も変わらないことですが、当時のドイツでもそうでした。既にドイツの戦況は防戦に傾いていたので、ガランド等は敵爆撃機の要撃に重点を置いていたのですが、ヒットラーは攻撃一辺倒でした。それでも1943年11月、漸くヒトラーがMe262の飛行を目にする日が訪れます。一目それを見たヒットラーは、「これぞ電撃爆撃機」と言って爆撃機型を1944年春までに大量に作るようにと指示します。しかし不調のエンジンの生産が思うように進まず、結局ヒットラーが指示した時期までに完成したのは、先行量産型の5機のみでした。
そのような生産の立ち上がりに加え、戦況は益々連合軍の優勢に傾き、ドイツ領内への空爆も激化していきました。それでもMe262の生産はそんな状況下でも何とか進められ、1944年3月から終戦間際の1945年4月までに戦闘機型Me262A-1aや戦闘爆撃機型Mw262A-2a等の他10種のバリアントを含め、総数1433機のMe262が生産され、ドイツ空軍に引き渡されました。戦況が悪化する中で、この戦闘機が1400機超も生産されたことには驚かされますが、戦況を変えるには数が一桁少なかったように思います。エンジンの不調で本来の性能を十分に発揮できずに終戦を迎えたわけですが、その高速性能は連合軍にとって大きな脅威となりました。そしてドイツの敗戦後、この機体の技術は米ソの手にわたり、戦後の航空界にジェット時代を築く礎となった事は述べるまでもないことです。
Me262A-1aの主要性能諸元を以下に示しておきます。
寸法 : 全幅12.5m、全長10.58m、全高3.83m
重量 : 3,795kg(空虚重量)、6,387kg(最大離陸重量)
最大速度: 827km/h@海面高度、856km/h@高度8,000m
最大上昇率: 1,200m/分
エンジン: ユンカース製 ユモ004B-1/-2/-3×2(1基当たりの静止推力:1,984lb)
固定武装: ラインメタル-ボルジグ製30㎜機関砲×4(機首上部2門の弾数が各100発、下部2門の弾数が各80発)
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Me262A-1a Hasegawa(1/72)
製作
今回製作したキットは随分前に購入したものですが、箱絵にもあるようにガランド中将が率いた第44戦闘航空団(JV44)の名称が入っており、定番キットのデカールに加え、JV44の彼の乗機のデカールも入っていました。また戦闘爆撃機用の部品も入っており、Me262A-1a,-2aどちらでも製作できるよう配慮されています。今回は、ドイツ空軍で最初にMe262部隊として編成された、第51爆撃航空団(KG51)のMe262A-2aとして完成させました。
まずはパーツの状態チェックやパーツ間のフィットチェックから始めました。全体のモールドはきれいです。パネルラインは凹です。1/72スケールということもあり、パーツ数も少ないので塗装のことを考え、胴体と主翼(エンジンポッド付きの状態)を組み立てて塗装することにしました。エンジンポッドは左右の張り合わせと、ポッドと主翼との嵌合部で少し擦り合わせが必要なようです。クリアパーツは少し厚めですが、透明度はまずまずです。キャノピーは開閉部と後半の固定部に分かれています。第2キャノピーとなる固定部分が機体の一部と一体成型されており、この部分が機体側との擦り合わせが必要となります。
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コクピット部はバスタブ型のコクピットと主計器盤、操縦桿、座席から成る構成です。計器盤、サイドコンソールともデカール仕上げです。塗装色は、操縦桿の握り部分以外は指定色のニュートラルグレイを塗りました。組み上がったコクピットの写真を撮り忘れたため、主計器盤の一部しか見えないですが組み込み後の写真を載せます。(写真1)。写真2が座席ですが、コクピットへは後工程で取り付けました。シートベルトは紙製のものに塗装して取り付けています。この紙製のシートベルトは結構重宝しています。以前静岡ホビーショーで購入したものです。和巧という会社が製造販売しているのですが、現在は種類が減ってしまったようです。ネット通販(https://kamizukuri.ocnk.net/)もあるようですが、一部はAmazonでも購入できます。
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(写真1) 胴体に組み込んだコクピット

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(写真2) 座席

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まず胴体左右パーツのコクピット部分をニュートラルグレイで塗装しました。次にコクピット部と前脚収納部を組み込みす。そして機首上部の砲口部を取り付けますが、戦闘爆撃型では砲口が2門のパーツを取り付けます。この際、機首部に3g程の鉛の錘を取り付けました。Me262はお尻が重いので錘を忘れると尻もち必至です。砲口部のパーツと胴体との間には少し段差が生じるため、擦り合わせしました。
次に主翼の組み立てですが、主翼は左右上面と下面の3部品からの構成です。主翼との嵌合度はまずまずです。3部品を接着後胴体に取り付けます。後は嵌合部を整形すれば機体はほぼ形になります。(写真3)が組み上がった機体上面、(写真4)が機体下面です。(写真4)にはまだ写っていませんが、この後爆弾搭載用のパイロンを機首下面に取り付けました。
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(写真3) 組み上がった機体上面

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(写真4) 組み上がった機体下面

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エンジンポッドは片側それぞれ4つのパーツから成ります。左右のポッド部とエンジン圧縮機ファン部と後端の排気口コーン部です。予めポッド内部と圧縮機ファン部と排気コーンとを塗装して組み上げます。(写真5)
その後接着部を整形しますが、(写真6)が整形後のエンジンインテイク部です。整形した時に剥がれた塗装部分が見えますが、その後修正しました。
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(写真5) 組み立てた左右のエンジンポッド

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(写真6) 接着部整形後のエンジンインテイク
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左右のエンジンポッドは(写真4)に示した主翼下面部に取り付けます。ここまで組み上げ次は塗装です。
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塗装は、4項で組み上がった機体だけでなく、水平尾翼、脚カバー、ウィンドシールド、キャノピーなども一緒に行いました。そして塗装に入る前に、コクピットやクリアパーツのウィンドシールド、キャノピーのウィンド部分をテープでマスキングし、フレーム部を下地の機内色、ニュートラルグレイで塗っておきます。そしてまず機体や水平尾翼の下面と垂直尾翼のラダー部分、そして脚カバー表側をRLM76(Mr.カラーC117)で塗装しました。次に上下面の塗り分け部分から下と、ラダーをマスキングします。次は機体の上面部分の塗装ですが、2色迷彩となっているのでまずは薄いグリーンのRLM82(Mr.カラーC122)を塗りました。このとき第2キャノピーは機体に仮止めして機体と一緒に塗装します。そして薄いグリーンのパターンをマスキングし、濃いグリーンRLM81(Mr.カラーC81)を吹き付けました。この状態でマスキングを外した状態が(写真7)(上面)です。
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次に脚収納部と脚扉の内側を塗装します。既に塗装を終えた部分をマスキングし、RLMグレイ02(Mr.カラーC60)で塗りました。(写真8)
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その後、脚やアンテナなどの部品も塗装しています。一例ですが、前脚は一体成型ですが、(写真9)のように脚とアクチュエータの摺動部はクロームシルバー、脚は収口と同じRLMグレー02、車輪のホイール部はつや消しの黒、タイヤはタイヤブラックと塗り分けました。
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| デカールはキット付属のデカールを使用しました。最初に述べたようにMe262-2aのエーデルワイスのデカールを貼りましたが、数も少なく難関な部分もなかったので助かりました。(写真10)がデカールを貼り終えた機体です。 |

デカールを貼り終えた機体のパネルラインに墨入れをし、下面には少し汚しを加えました。その後水平尾翼や脚類、脚カバー、アンテナなどを機体に接着し、500㎏爆弾2発を機首下面のパイロンに取り付けました。そしてキャノピーとウィンドシールドを仮止めし、保護のための艶消しクリアーを機体全面にオーバーコートしました。乾燥後ウィンドシールドとキャノピーのマスキングシートを外し、機体に取り付けました。キャノピーは開状態としています。(写真11~16)が完成したMe262-2aです。(写真17)が後方からコクピットを見た状態です。また(写真18が機体の下面です。
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(写真17) 完成したMe262A-2aのコクピットを後方より見る
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| 製作してみての感想は、少し手のかかるところもありますが、総じて作り易いキットだと思いました。形もいい感じです。1/72なので場所も取りません。戦闘機型のMe262A-1aも作ってみたくなりました。 |
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