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誌上個展

LS 零戦シリーズを楽しく作る。
21型・52型・2式水戦 (エルエス1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi


 LSのゼロ戦シリーズは、1960年代のリリースゆえ、当時の流行を反映して、オール可動が特色でした。、それゆえ、エルロン可動部の膨らみの処理や 可動キャノピーが形状的な唯一の欠点となり、それをどうするかで、様々な作り方が楽しめました。  1/72で零戦の正確な形状を追うのであれば、最新のタミヤやハセガワ新版を購入すればいいのですが、旧LSのゼロ戦シリーズもオール可動を生かしてまた違った楽しみ方ができます。 幸いまだアリイから現役で発売されていて、店頭でも入手できることから、しっかりと楽しみ尽くしてしまいましょう。

零戦21型




 このLS零戦21型の最大の「売り」はオール可動。つまり 翼端折り畳みと舵面、キャノピーの可動、脚折り畳み、脚カバー可動でした。ただ、可動に伴う形状の難も多少ありましたが、基本形状デッサンは素晴らしく、名作と讃えられたものでした。 不満な形状を修正しつつ、LSらしさをどう残すかをポイントとしてみました。
 
 旧版では最大の欠点であるキャノピーは塩ビ板で自作し、キャノピー前方の機銃覆いの凹みは裏にポリパテを盛って、削りこんでいます。キャノピーを合わせた後で、気になって削りこんでしまったので、キャノピー前方に隙間ができたのがご愛嬌です。目立ちませんが、同時に機首機銃口も開口し、シンチュウパイプで機銃の銃身を仕込んでみました。ピトー管とアンテナ柱も金属で自作。
 可動メカは生かすこととし、翼端折り畳みメカはそのまま可動としています。断面色は60年代当時の流行のレベルカラー青竹色としてみました。(この色は普段はあまり使わないことから一回買えば一生分あり、我が家ではRevellカラーのビンがまだ現役です。)

 塗装は このキットが1960年代にパネルラインが凹ぼりだったのは、エルエスの先見の明でした。敬意を表して、Mrカラーの明灰色の上に、油彩のローアンバーで軽くフィルタリングをしています。AI-109は別売りデカールを使いました。


  エルロンと方向舵は、可動のためのピンを支える大きな膨らみを削除し、パテ埋め。 ガンダム用の1mm径スプリング線を1cmくらいに切って使い、舵面は可動にしています。ダラッと下がらず中立位置が保てるので気持ちがいいこと。フラップも同様に可動のための膨らみを削除し、足らなくなった部分をプラ板で追加し、スプリング線を使って可動にしてみました。こちらはスプリング線の中に0.3mmシンチュウ線を入れて、ダウン状態でも保持できるようにしました。

 下は 可動に使用したコトブキヤのスプリング線
径は 0.5mm,1.0mm,1.5mmと3種あるので、機体の大きさに応じて使い分けます。 今回は1.0mm径を使用。

 長さ10mm弱に切り、エルロンに1.0mm径ドリルで孔を開け、スプリング線を瞬間接着剤で接着します。
 機体側のエルロン取り付け部位にも同位置にやはり1.0mmのドリルで孔を開け、スプリングを差し込めば、簡単に可動が実現できます。






零戦 52型



 キャノピーはオリジナルの部品を使っていますが、やはり、枠の太さと前方風防の低さが気になりますね。しかし、オリジナル雰囲気はしっかりと醸し出せました。
 エルロン、方向舵は21型と同様に膨らみを整形し、1mm径スプリングを仕込んで可動としています。 昔だったら、固定にするしか無かったのですが、現代ではこんな作り方もできるんですね。
塗装は、Mrカラー特色124番三菱系暗緑色を使いました。緑の彩度が高く、華やかです。カウリング色も特色を使用しました。



2式水上戦闘機



Vol9 2009年10月号の二式水上戦闘機 (LS75 ,ハセガワ72)では、キャノピー自作、舵面固定の明灰色塗装を作りましたが、その時にはLS雰囲気が消えてしまい、やり過ぎたと悔いが残りました。そこまでやるのだったら、最初からハセガワの72を作ればよかったわけですから。   それで、キャノピーも舵面も オールオリジナル部品で作りなおしてみました。正真正銘のLSというわけです。後は最低限の修正のみで、ヘッドレストは削り取り、アンテナとピトー管は金属線で自作しています。
塗装は、Mrカラー15番濃緑色(中島系)を素直に使っています。両翼上面の航法灯は丁寧にクリアエポキシで追加してみました。
LSらしさが醸し出せたでしょうか?




フラップはそのままなので、ダウンすると切欠きが目に入ります。しかし、全体の形状は まさしく二式水戦そのもの、LSのデッサン力は素晴らしかったと思います。  1967年の古いMA誌では、ニコイチで22型、32型、また零戦複座練習機などへの改造が掲載されていました。中学生時代にそれに胸をときめかせたものです。50年後の2017年までには、作って夢を果たしてみたいと思います。





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Vol.64 2014 January.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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