Home  >カーチスP-6E (モノグラム 1/72) > 特集 夢の傑作キット>2020年10月号

特集 夢の傑作キット

モノグラム傑作複葉機3羽ガラス
カーチスP-6E (モノグラム 1/72)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 泣く子も黙る?モノグラムの72複葉機傑作キット3羽ガラスとして有名になったのが ボーイングF4B-4,カーチスホークP-6E,カーチスF11Cです。
 いずれもリリースは1960年代初頭で、月刊webmodelers再録の「航空情報プラモガイド」 1971年6月増刊号 プラモガイド26~27ページに、その評価が掲載されています。
「全体の形状、モールドも見事で、非のうちどころがない。 非常に小柄だが、細部にいたるまでモールドの表現が豊かで、しかもデリケートな細かい部分まで一体にモールディングされていて、実に見事なできばえ。1/72としては文句なく最上級のキットである。」と評されています。
 

箱絵


 小さい箱のキットの割には高額で 郷里高松の瓦町駅近くで4階建てビルを構える高松で一番大きな模型店のガラスケースの上段に48ヘルキャットや、48コルセアと並んで飾られておりました。ですから右上に少年がF105の模型をかかえたモノグラムマークがついた箱には記憶があります。
 もちろん少年には買えるようなお値段ではなく、当時は日本メーカーのプラモデル勃興期でモーター戦車とスロットカーに憬れの中心があったこともあり、複葉機は興味の対象外でした。飛行機キットを作るといっても100円台のLSキットか、初期のハセガワ72ジェットが限度だったのです。
 今思えば、その棚はモノグラム棚だったような。四国高松で高価至極のモノグラムをどのような皆さま方がお買いになられたのか、不思議ではあります。
 さて、それから月日は流れて半世紀。立派な飛行機モデラーに成長した私は 2013年に横暴な隣国での危ないお勤め生活からやっと解放され、帰国後 生きているうちに一度は作ってみたいと持っていないモノグラムキットを探し始めました。3羽ガラスはヤフオクや秋葉原の中古店で次々と中古キットをGETはできましたが、どれも1960年代に見た高額な価格の更になんと5倍以上という笑ってしまう結果でした。半世紀前との貨幣価値の違いなのか、それとも中古で暴額なのに承知で買ってしまうモデラーの性なのか、、
 
 2016年にボーイングF4B-4を作りましたので、カーチスホークP-6Eが第2弾です。
残るは、カーチスF11Cゴスホークのみ。

実機 記録写真


博物館保存機


 カーチスホークP-6EはボーイングP-12同様 第2次大戦前のネービーホリディといわれた時代に 米陸軍航空隊で1931年から1939年まで要撃戦闘機として使われました。 実戦に使われる事はありませんでしたが、当時としては美しいスマートな液冷機で一世を風靡しました。  



 このモノグラムキットの組み立ては簡単です。なんと、胴体パーツに主翼支柱と、脚柱が一体モールドになっています。翼支柱と脚柱の取り付け角度はキチンと決まり 丈夫です。あっというまに形になります。
 複葉機で白黒の塗り分けラインも複雑なので塗装は筆塗り。脚スパッツの鷹の爪はモールドラインを削り落とし、改めてマスキングして塗装しました。
 翼や胴体のファブリックの張り具合の彫刻が素晴らしく、ほれぼれします。箱絵には張り線が書かれていますが、張り線無しがキット推奨デフォルトですので、張り線無しで組み立てています。



 ごきげん最高モノグラムの言葉通り、複葉機が簡単にできあがりました。スタイルもばっちりです。 これぞ、まさしく傑作プラモデル。モノグラムの本領発揮でした。
モノグラムという会社は既にありませんが、このような傑作キットは文化遺産として なんらかの形で後世に末永く発売を続けて欲しいものです。





  Home >カーチスP-6E (モノグラム 1/72) > 特集 夢の傑作キット>2020年10月号
Vol.146 2020 October.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
         editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集1

TOTAL PAGE